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《ブラジル》モロ氏はポデモスの大統領候補か=上議選出馬の可能性も

モロ氏(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 元ラヴァ・ジャット作戦の元担当判事で、法相も務めたセルジオ・モロ氏の政党「ポデモス」入りが確実視されている。ただし、大統領選出馬とはかぎらず、上議選出馬の可能性も噂されていると、26日付現地紙が報じている。
 モロ氏はボルソナロ大統領が同氏の了承も得ず、連邦警察の人事に介入したことを不満とし、2020年4月に法相を辞任。それ以降は米国の法律事務所「アルヴァレス&マーサル」に勤務している。だが、多くのメディアから、来年の選挙をにらみ、帰国して出馬準備に備えることを確実視する報道がなされており、今月はじめには実際に一時帰国し、政界関係者との話し合いを重ねていた。米国での仕事は今年いっぱいの契約で、契約更新は行わない予定だ。
 サイト「アンタゴニスタ」などによると、モロ氏はかねてから同氏を高く評価していた親ラヴァ・ジャット作戦派のアルヴァロ・ジアス上議が上院リーダーをつとめるポデモスへの入党の意思を固めており、11月10日にも正式発表される見込みだ。

 ポデモス側は、大統領選の世論調査でシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)やジョアン・ドリア聖州知事(PSDB)と3〜5位争いをし、ルーラ元大統領とボルソナロ大統領の対決に割って入る「第三の選択肢」の候補を期待されているモロ氏を大統領候補にと考えている。だが、ここにきて「上院選出馬」という別シナリオが浮上している。
 ひとつは、PSDBとシャッパを組んで、同党からサンパウロ州知事選に出馬予定のリカルド・ガルシア現副知事と並んで、上議候補となることだ。モロ氏は元来、PSDBとの結びつきが強い上、アルヴァロ氏もPSDBの右派出身だったから、成立はしやすい。
 だが、それにはドリア氏がPSDBの党内選挙で対抗馬のエドゥアルド・レイテ・リオ・グランデ・ド・スル州知事を破って正式に大統領候補になる必要がある。だが、現状ではどちらが党内選挙で勝つかが見えにくい。
 さらに、モロ氏の出身であるパラナ州からの上議選出馬案も考えられている。ただ、その場合、同州選出上議のアルヴァロ氏は自身の上議選出馬をあきらめるか、あるいは自身が他の大統領候補とシャッパを組んで副候補になる選択肢があると見られている。
 アルヴァロ氏は18年の大統領選にもポデモスの候補として出馬した。同党は8月に、モロ氏の決断を待つ間に同氏を大統領候補とし、全国に同党の方針を語らせる計画も立てていた。