全世界で温室効果ガスの排出量が減少傾向にある中、ブラジルが2020年に2006年以来最大の排出量を記録したと、28日付現地サイトが報じている。
これは、環境団体「気候観測所(Observatorio do Clima)」による、温室効果ガス排出量推定システム(SEEG)の最新調査結果で明らかになった。
SEEGコーディネーターのタッソ・アゼヴェド氏によると、「ブラジルでは1990年から2003年まで温室効果ガスの排出が増え続けていた。2004年から2010年にかけては大幅な排出削減が行われたが、それ以降はまた排出量が増え続けており、2019~20年にはさらに急増した。これにより、20年の排出量は2006年以降、最大となった」という。
世界全体で見ると、20年は前年比で7%の温室効果ガスの排出削減が行われたが、ブラジルは9・5%増えていた。また、2010年比では排出量が23・2%増えているという。
パリ協定の課題では、世界全体で2021年から30年にかけて、毎年7・6%以上排出量を減少させる必要があるとされている。
SEEGによると、ブラジルでは農業部門と廃棄物、土地利用の変化の3項目で温室効果ガスの排出が増えていたという。土地利用の変化は森林伐採などが含まれる。
★2021年10月26日《ブラジル》パンタナル=水を求めて群れをなすワニ=少雨・干ばつや森林火災反映
★2021年7月3日《ブラジル》森林火災に苦しむアマゾン=6月は07年以来の件数記録=軍の再派遣で状況は変わるか
★2020年10月31日《ブラジル》パンタナルの森林火災拡大=10月としては観測史上最多=年間総数も新記録更新中