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ブラジル日報協会が発足=「邦字紙の灯消さない!」=1月に創刊号、日系社会が祝福

林会長と蛯原理事長

 新聞事業を通じてブラジルにおける日本文化の普及を行う非営利団体「ブラジル日報協会」の設立記念祝賀会が10月29日、聖市のリベルダーデ区ニッケイパレスホテルで行われた。同協会は、日本で一般社団法人日本海外協会の代表理事をする他、多数の高齢者福祉施設経営を行う林隆春氏(71、愛知県)の出資によって創立。同氏を会長に、現地責任者として戦後移民の蛯原忠男氏(旅行社ASP経営、72、宮崎県)が理事長に就任する。

会場の様子

 同協会の主な事業は、ポルトガル語による日本文化の発信と、日本語によるブラジル社会・日系社会の情報発信。聖市リベルダーデ区の文協ビルに事務所を構え、1月に創刊号を発刊する予定。紙媒体とインターネット媒体でニュース配信を行う。
 団体設立にあたって林会長は、「数年前から邦字各紙が経営難にあることは知っていた。当地日系高齢者施設を訪問した際、入居者の方が邦字紙を読むことで、自分と日本の繋がりを強く感じていることを知り、人材派遣事業を行い、そしていま高齢者福祉に携わる自分が、存続の危機にある邦字紙事業に参入する意義を感じて決断した。運営の険しさは重々承知しているが、社会にとっても新聞は重要なもの。ブラジルから邦字紙の灯を消してはいけない」と挨拶した。
 祝賀会には日系社会関係者120人が出席。政治家では西森ルイス連邦下議(伯日議連会長)、野村アウレリオ聖市議、飯星ワルテル元連邦議員や、ジャパンハウスのエリック・アレシャンドレ・クルッグ館長、在聖総領事館の山内隆弘領事部長等の政府機関代表者も祝辞を述べた。
 さらに、山村敏明聖南西文化体育連合会会長などの地方文協代表者、ブラジル日本文化福祉協会の会長代理として西尾ロベルト副会長、市川俊雄ブラジル日本都道府県人会連合会会長などの日系団体代表者、西森あけみブラジル歌謡協会会長などの日系文化・スポーツ団体関係者らも新団体設立を祝福した。

 伯日議員連盟会長を務める西森ルイス下議は「新聞は日本語の普及、日本文化の継承など、とても重要な役割を果たしている。日系人の心を支えてきた。この困難な時代において、日系社会に新しい新聞が生まれることを心から祝福する」とコメントした。
 リベルダーデ商工会議所の池崎博文会長(94、熊本県)は「ブラジル日報が末永く続き、日系社会の良き助けとなってくれることを願っている」と語った。JETROの原宏所長は「邦字紙は日系社会だけでなく、進出企業にとっても重要な情報源。設立を嬉しく思う」と述べた。