ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》PSDB党内選挙=ドリアに不利な展開に=サンパウロ州内92人は投票不認可=レイテ陣営の主張通る=対決は激化の様相に

《ブラジル》PSDB党内選挙=ドリアに不利な展開に=サンパウロ州内92人は投票不認可=レイテ陣営の主張通る=対決は激化の様相に

ドリア知事(Govesp)

 21日に行われる大統領選候補を選出する民主社会党(PSDB)の党内選挙を前に、サンパウロ州内の92人の市長、副市長らが規定違反で投票権を失う事態が発生。エドゥアルド・レイテ・リオ・グランデ・ド・スル州知事と大統領候補の座を争っているジョアン・ドリア・サンパウロ州知事にとって不利な展開になっている。2〜3日付現地紙、サイトが報じている。
 大統領候補を選ぶ党内選挙には、ドリア知事、エドゥアルド・レイテ知事、アマゾナス州州都マナウスの元市長アルトゥール・ヴィルジリオ・ネット氏の3人が名乗りをあげているが、ドリア氏にとって手痛い事態が起きた。
 PSDBは1日、サンパウロ州内の92人の市長、副市長に対し、党内選挙の投票権剥奪を決め、2日に公表したのだ。それは、彼らの名前がサンパウロ州の選挙地域裁に登録されたのが8月と9月で、今年の5月31日までに行うべき入党手続きを行っていなかったと判断されたからだ。
 ただし、PSDBサンパウロ州支部は、これらの92人は5月31日までに入党手続きを行ったとして登録している。
 同党ではこの日を超えて党員登録をした人には、党内選挙への投票権が与えられない規約となっているため、リオ・グランデ・ド・スル州、ミナス・ジェライス州、バイア州、セアラー州の支部が同党の党内選挙管理委員会に抗議。それが認められた形となった。これらの州はレイテ氏支持を明言している。
 選挙管理委員会のコーディネーター(委員長)をつとめるジョゼ・アニーバル上議によると、この92人のうち、「期日前に入党手続きを行っていたとして、移籍票を提出したのは44人だけだった」という。また、「彼らが送ってきた移籍票などでは、期限までに登録を終えたことは証明できない」と語っている。
 この処分はまだ完全に決定したものではなく、異議申し立てが認められる。処分に不服な人は72時間以内に、ブルーノ・アラウージョ党首に対し、手続きには問題がなかったことを証明することが可能だ。

 この処分に対し、PSDBのサンパウロ州支部は、「選挙高裁のシステムと照合した結果、リオ・グランデ・ド・スル州、ミナス・ジェライス州、バイア州でも、10月に登録を終了し、党内選挙での投票権を失うはずの人物が少なくとも32人いる」として党内選挙管理委員会に訴えている。
 アニーバル上議は2日、これらの32人についても調査を行う意向を表明している。
 同党サンパウロ州支部長でサンパウロ州の地域開発局長でもあるマルコ・ヴィニョーリ氏は、「あくまでも手続き上の問題であり、不正行為を行ったわけではないし、同じことはリオ・グランデ・ド・スル州でも起こっている」として、ドリア氏の対抗馬であるレイテ氏の地盤を揶揄。さらに「今回の処分があったにせよ、ドリア氏の優勢は変わらない」と強調した。
 ドリア氏も先月の27日、「レイテ氏は泣きわめいて言いがかりをつけているだけだ」とし、手続きの正当性を強く訴えていた。
 今回の件は、党内選挙におけるドリア氏とレイテ氏の争いの激化を物語っているが、もうひとりの候補のヴィルジリオ氏は、「ドリア氏もレイテ氏も幼稚な争いをしている。そのような足の引っ張りあいをしているようでは、肝心の大統領選でPSDBが勝てなくなってしまう」と大所高所から苦言を呈している。
 なお、党内選挙の投票人名簿は14日までに作成され、公式の討論会は19日にはじまる。第一次投票は21日で、過半数を獲得した候補がいないときは28日に決選投票を行う。選挙管理委員会が投票権はないと判断した92人は、約1千人いる市長、副市長の1割弱にあたる。同党の党内選挙では、市長・副市長の票は全体の25%の比重を占めている。