5G(第5世代)の移動通信システムに関する入札が4~5日に行われ、連邦政府は初日だけでブラジル史上2番目の約71億レアルを獲得した。4、5日付現地紙、サイトが報じている。
今回の入札は国家電気通信庁(Anatel)が主催したもので、4日と5日の2日にわたって行われた。インターネット接続サービスは国民生活に不可欠になっており、より迅速かつ、より広範なデータ通信を可能とする5Gの導入は急務とされているが、肝心の入札は延期されてきた経緯がある。
今回の5G入札はかねてから大型入札として注目されており、4日の落札総額は、連邦政府がこの日に開札する予定だった各通信容量毎の組(ロット)の最低入札額(底値)の総計20億4300万レアルの3・5倍近い70億8900万レアルとなった。
この額は今年の9月に行われたサントス沖のプレサル(岩塩層下油田)の入札で記録した77億レアルに次ぐ額となった。期待はずれに終わった印象のプレサルに比べ、こちらは予想を上回る額となった。
4日の入札に参加した企業は15社で、国際通信大手のクラーロ、Vivo(テレフォニカ・ブラジル)、TIMも参加した。
クラーロは最主要ロットと目されていたB1(3・5ギガヘルツ)を、底値の5・18%増しの3億3800万レアルで落札。Vivoは2番目の規模となる80メガヘルツのB2を、底値を30・69%上回る4億2千万レアルで、TIMは3番目の規模のB3を3億5100万レアルで落札した。B1~3は全国レベルのサービス網だ。
大手3社は5G専用のロット以外にも、4G、5Gのサービスを提供できる容量のロットを落札している。
また、北東部の3・5ギガヘルツのC4をブリザネット社が、900万レアルの底値に対し、1万3741・71%増しの15億レアルで落札する一幕も見られた。ブリザネット社は4Gサービス用のE4も落札している。
4日の入札では、ブリザネットやWinityといった、新規参入企業4社が落札しており、移動体電話の市場での競争激化が予想されている。
26のロットのうち、3・5ギガヘルツのロット二つと、北東部での4Gサービス用のF04は応札企業が現れなかった。
入札は5日も行われ、最大容量の26ギガヘルツのロット二つをクラーロ、三つをVivo、一つをTIMが落札した。これらの企業は全国の基礎教育課程の公立校へのインターネット導入の責任も負うことになっている。
地域レベルのロットでは、Algarテレコンなど、大手3社以外の企業も落札している。
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