連邦検察庁の検察官で、パラナ州でのラヴァ・ジャット作戦の特捜班の主任だったデウタン・ダラグノル氏が、3日に辞意を表明し、5日付連邦官報で辞任が公表された。同氏は政界進出が有力視されている。5日付現地紙、サイトが報じている。
デウタン氏は2014年にはじまったラヴァ・ジャット作戦で特捜班の主任となり、被告を裁いた、当時のパラナ州連邦判事セルジオ・モロ氏とともに、ブラジルのマスコミにおける「時の人」となった。
だが、パワーポイントを使って、「ラヴァ・ジャットの仕掛け人はルーラ元大統領」とする発表を行った2016年あたりから、捜査の政治色の濃さが指摘され始めた。
2019年6月にモロ氏や自身の携帯電話がハッキングにあい、その盗聴記録からモロ氏から指図を受けていたことが暴露され、検察官と裁判官が裏で手を結んでた疑惑や、ラヴァ・ジャットの宣伝行為をはかるなどの疑問が噴出していた。
これらが法曹界で問題とされた後、2020年9月に同氏はラヴァ・ジャット主任を辞任。今年2月には同作戦班も消滅した。
一部報道によると、デウタン氏は、10日にセルジオ・モロ氏の入党が決まっている政党ポデモス入りが有力視されており、下院選への出馬が噂されている。
ただ、検察庁内ではまだ、同氏の言動に対する内部告発やそれに関する審理が続いているなど、出馬までに解決すべき課題が残っているようだ。