8日発表の中銀の経済動向予想調査「フォーカス」は、インフレ予測を31週連続で修正し、年末の予想値を9・17%から9・33%に引き上げたと8日付現地サイトが報じた。
政府の目標インフレ率は3・75%±1・5ポイント。それを超えると、中銀は目標値内に収めるための方策を提示しなければならないが、市場の予想値は6月4日に上限の5・25%を超えたままで、収束に向かう様子はない。
この傾向は22年に関しても同様で、市場の予想は4・55%から4・63%にと16週連続で引き上げられた。来年の目標は3・50%±1・5ポイントで、上限の5%を超える可能性が次第に強まっている。
一方、国内総生産(GDP)の予想成長率は、4・94%が4・93%へと微減。22年は1・20%が1%に下方調整された。年頭時点の来年の予想成長率は2・5%だったが、9月以降は予想値が下がっている。
中銀が使うインフレ抑制策は経済基本金利(Selic)の引き上げだが、既に6回引き上げられており、年末時点では9・25%との見方が定着している。来年末時点の予想値も、10・25%から11%に引き上げられた。
インフレ予測やSelic引き上げ幅の見直しは、ゲデス経済相が10月に、社会保障制度のアウシリオ・ブラジルの支給額を引き上げるためには歳出上限法を柔軟化する事もやむなしと発言した事が主な原因だ。
為替の予想は今年も来年も1ドル=5・50レアルのまま。今年の貿易収支黒字額は701億ドルから702億5千万ドルに引き上げられたが、来年は630億ドルのままだ。外国投資も今年500億ドル、来年600億ドルで据え置かれた。