ボルソナロ大統領が8日に新しい社会保障システム「アウシリオ・ブラジル」を始動させるための大統領令を出し、同日付連邦官報に掲載したと9~10日付現地サイトが報じた。
新社会保障システム構築のための暫定令(MP)は8月10日に出ており、12月7日までに連邦議会の承認を得る必要があるが、支給額などが確定していなかった事や、財源確保のための憲法補足法案(PEC)の審議が遅れている事もあり、MPの審議は始まっていない。
大統領令は、アウシリオの中核となる恩恵についての3項目などを定めている。第一は子供に関するもので、3歳未満の子供がいる家庭には一人につき130レアルが5人を上限に支給される。
また、妊婦や3~17歳の子供、18~21歳で初等教育を受けている青年がいる家庭には、一人につき65レアルが支給される。これも、各世帯5人が上限だ。
3番目は他の恩恵を受けてもなお、一人当たりの世帯所得が100レアル以下の極貧家庭向けの恩恵だ。この恩恵は家族一人につき最低25レアルが支給される。
ボルサ・ファミリアの受給者だった人の受給額が、緊急支援金の支給がなくなった事でこれまでの額よりも減る時は、差額分を埋め合わせる移行補償給付も受けられる。これは、アウシリオでの受給額がボルサ・ファミリアでの受給額を下回る事がないようにするための措置だ。大統領令ではその他にも六つの恩恵が記されている。
アウシリオによる支援対象は250万世帯で、支援そのものは就職その他で世帯所得が支給額を上回るまで、または家族が受給資格を満たさなくなるまで継続される。