ホーム | 日系社会ニュース | 令和2年春・秋の叙勲伝達式=山田彰大使から受賞者3人に

令和2年春・秋の叙勲伝達式=山田彰大使から受賞者3人に

受章者3人と桑名領事(左端)、山田大使(右端)

受章者3人と桑名領事(左端)、山田大使(右端)

 在サンパウロ日本国総事公邸で10月17日、昨年度の春と秋に日本国大使館推薦で外国人叙勲を受章した飯星ワルテルシンジ氏、太田ヨランダ慶子氏、安部順二氏の3人の伝達式が行われた。伝達式にはブラジル日本文化福祉協会、サンパウロ日伯援護協会、ブラジル日本都道府県人会連合会、日伯文化連盟、ブラジル日本商工会議所各代表が出席。23日に帰朝予定の山田彰特命全権大使から賞状や勲章が贈られた。

太田ヨランダ慶子元下議

太田ヨランダ慶子元下議

 昨年、春の叙勲で旭日中綬章を受けた飯星氏は「受章は本当に誇りに思います。亡くなった両親も天国でパーティーをしていると思います。両親から日本文化を学び、素晴らしい教育をして貰った」と受章を喜んだ。
 飯星氏は連邦下義時代に浜松市の伯総領事館開設や日系四世ビザ緩和への働き等、在日伯人支援に大きく貢献。移住百周年事業では伯日議員連盟会長として記念式典開催や、記念のモニュメント設置、記念硬貨の発行に貢献した。
 来年の連邦議員選に出馬予定の同氏は、「日伯関係を強くしていきたい。伯国は経済のポテンシャルが高く、日本も興味を持っている。そのためにブラジルを信用できる国にしたい」と意気込みを語った。
 同じく春に旭日中綬章を受けていた太田氏は「感激しています。とても嬉しく、心から感謝しています」と微笑んだ。連邦下議時代には日本の教育システムを踏まえた教育改正法案の提出や、連邦下院レストランで国際和食週間の発案、広島長崎写真展と原爆関係セミナー等も開催した。
 

飯星ワルテルシンジ元下議

飯星ワルテルシンジ元下議

太田氏は式典後の取材で「日本の教育は質が高いのに伯国に比べ浪費が少ない。日本で学校を視察した際に、子供や親の協力が大きいと感じました」と改正法案提出のきっかけを語った。
 「日本で会った子供達はお辞儀をしていたのが印象的でした。日本では子供は学校で掃除を覚えますが、ブラジルで『掃除をしなさい』と言っても子供は嫌がる。教育は人を変えます」と教育の重要性を語った。
 秋の叙勲で旭日中綬章を受けた安部順二さんは「先達の日本人移民の方々に深く感謝を述べたいです。食べ物や言葉も違う国で一生懸命頑張ってこられた。祖父や父に幼い頃から『ブラジルのために頑張りなさい。心からブラジルを愛して守りなさい』」と言われて来た」と振り返る。

安部順二元下議

安部順二元下議

 「日本はブラジルに様々な支援をしてくれた。サンタカタリーナの林檎、ミナスの製鉄所などブラジル人として忘れる事はできない。12月で81歳になりますがこれからも経済交流に貢献したい」と意気込んだ。
 安部氏はモジ・ダス・クルーゼス市長を8年、元連邦下院議員8年間、元伯日友好議員連盟の会長等も務めてきた。08年の移住百周年では「モジ百周年公園」建設など友好親善の促進に多大な貢献を果たした。
 山田大使は「3人の方とは色々な形で協力して働いてきました。日本とブラジルの関係強化のためにとても貢献して下さり、大変うれしい。」と3人の授賞を喜んだ。
 桑名総領事も「長年日本とブラジルの友好のために貢献して頂いた3人の方に、山田大使の出席のもとで叙勲ができ大変よかった」とコメントを寄せた。