サンパウロ州の大型小売店などが年末に向けた各種商戦のため、一時雇用者を求めており、正式採用となる可能性も例年より高いと11日付G1サイトなどが報じた。
Atacarejoの場合は、州内全域で800人以上を採用した。10月はサンパウロ市だけで530人以上の募集をかけている。必要とされているのは、レジや商品補充係、梱包係などだ。
この枠をショッピングセンターや一般商店、サイト販売などまで拡げた場合は、サンパウロ市だけで1500人を上回ると見られており、正式採用となる可能性もある。
全国一時労働協会によると、今年はブラック・フライデーやクリスマスのための一時採用は昨年よりも20%増えると見られているという。
レジ係だったタイアネ・ソウザ・サントス氏はパンデミックの最中に失業し、1年近く職探しを続けていたが、今年の3月に一時採用となった後、本採用となった。
「パンデミックで失業した後、本当に大変なところを通ったから、目の前に現れたチャンスに飛びつき、本気で取り組んだわ。スーパーは唯一、他の業種以上のチャンスを与えてくれたから、それにチャレンジしたの」と、サントス氏は語っている。
実店舗を持つ小売店も、年末に向けた売上増を狙って、採用を増やしている。また、製造業やサービス業でも、年末の需要の高まりに対応するために採用枠を増やしているところがある。
輸送・配送業界も、この時期は人手が必要となる。複数の店舗を持つ衣料品店の配送センターでは、11~12月にサンパウロ市で200人を採用する必要に駆られているという。
ある店舗の人事採用担当理事は、「うちの場合は、最初は一時採用として採るが、店舗拡張を伴う成長期には、全ての人が本採用となる可能性がある。特にこの時期は正式採用になる可能性が大だ」という。
一時採用者を仲介する会社の一つによると、サンパウロ州全体の求人数は7千人で、そのほとんどが商業関係だという。
同社のリクルート担当者によると、大規模小売業者は昨年、雇用数を減らしており、新たに採用する必要があるが、今後の市場の動きが充分に読み取れないため、とりあえずは一時採用として人を採っているという。このような場合、一時採用者がよく働き、その仕事がうまくいった上、需要も継続となれば、本採用になる可能性が高まる。
一時採用者が本採用となるためには、「エネルギッシュで、自分から仕事を探し、サービスを提供する人で、お客様に対応するのが好きであることが大切だ」という。特に必要なのは、「お客様へのサービスとケア」だという。