11日、ブラジル文学アカデミーは歌手のジルベルト・ジル(79)を永久会員に選出した。4日には女優のフェルナンダ・モンテネグロ(92)が選出されたばかりだ。11、12日付現地紙、サイトが報じている。
同アカデミーはブラジル文学界における権威で、永久会員の座は、ブラジルにおいて最高の栄誉のひとつと見なされ、「imortal」(名声不朽の人々)の称号が与えられる。永久会員の定数は40席で、誰かが亡くなった時点で推薦を行い、投票によって新たに選出する。
今回は、20年5月に亡くなったジャーナリストのムリーロ・メロ・フィーリョ氏の持っていた、「20番」をめぐる投票だった。
34人の永久会員による投票の結果、ジルは21票を獲得し、永久会員に選ばれた。20番の座は、詩人のサルガード・マラニョン氏と文芸評論家のリカルド・ダウント氏と共に争われ、マラニョン氏は7票、ダウント氏は0票だった。白票4票、無効が2票だった。
マルコ・ルケッシ・アカデミー会長は「彼が作る曲は文芸と大衆文化を結びつけ、奥深い内容を持っている。また、ブラジルのみならず国際的に活躍してきた」と評した。
ジルは世界の音楽界の名誉であるグラミー賞を9度受賞。2003年から08年まで文化相をつとめていた。
ジルはSNSを通じ、永久会員入りを推薦したアカデミーや自身のファンへの感謝を示した。
ジルは、現在存命中の永久会員では2人目の黒人会員となる。
さる4日には、女優のフェルナンダ・モンテネグロ(92)が、2020年3月に亡くなった、外交官でジャーナリストのアフォンソ・アリノス・デ・メロ・フランコ氏の持っていた17番の後任候補となり、34人の投票中32人の賛同(白票2人)を得て、永久会員に選ばれていた。
フェルナンダは1999年に、ブラジルで初めて、世界の映画祭最大賞であるアカデミー賞に役者としてノミネートされた人物で、同年にベルリン国際映画祭女優賞を受賞。今日でも、国内最長老の現役女優のひとりとして、一線で活躍し続けている。彼女が著した2冊の回顧録も高い評価を得ている。
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