サンタクルス日本病院(HJSC、佐藤マリオ理事長)は10月22日、改装工事を終えた人工透析センターの再開式典を開催し、それに多大な協力をした東レ・ド・ブラジル株式会社(Toray-do Brasil Ltda)大谷直之社長と、株式会社GSIクレオスブラジル社のダニエラ・ブロディ・ヤマウチ社長らを顕彰した。
同透析センターは2カ月間の改修工事を終えたばかり。両社社長は同センターの待合室、最新設備を導入した透析室を視察した後、病院から改装協力に対する感謝プレートの贈呈を受けた。
佐藤理事は「大変すばらしい協力に感謝してこれを贈ります」との感謝の言葉を述べて大谷社長へ、辻マルセロ医院長はダニエラGSI社長に記念プレートを手渡した。
以前から同病院では東レ・メディカル製の透析器を、販売代理店GSIクレオスブラジル社から購入しており、購入価格の協力、病院で少しでも利益が出せるように保険会社との折衝、多くの患者が利用出来るように助言を受けていた。
今回は2社から寄付を受けて受付の改装が行われており、2社の名前が受付後ろの壁に記されている。
視察した大谷社長は「3年半前から何度も来ています。来るたびに、透析センターだけでなく、病院の設備や内装も改修され向上を感じます」と感心した様子。「SUS患者向けの透析治療以外にも自由診療向に血液濾過透析(HDF)を導入され、ますますの発展を期待します」とコメントを寄せた。
今回改装されたセンター出入り口には新病院の新ロゴが掲げられ、自由診療患者向けの透析室には東レ製の血液濾過透析(HDF)機能を搭載した8台が導入された。
HDFは従来の血液透析治療(HD)よりリンや尿毒素を効率的に取り除く事ができ、患者への負担が少ない治療方法だ。佐藤理事長は「心機能への負担もHDより少ないので透析後の疲労感が軽く、患者の生活の質向上に繋がる」とメリットを語った。
HDF治療は先進国では一般的な治療方法だが、ブラジルや南米諸国ではまだ普及率は低いという。八柳GSIクレオスブラジル社副社長は「聖州でもこの治療を実施している総合病院は10カ所もないと思います」と貴重さを説明する。
自由診療の透析室は「綺麗で高級感があり、ホテルのよう」と前田太輔東レ・ド・ブラジル社取締役も感心するほど内装にも力が入っている。
SUS診療の透析室を視察時に、八柳GSI副社長は「装置が綺麗に保たれていまね」と着目すると、佐藤理事長は「15日ごとに洗浄剤で洗っています」と説明した。
装置について八柳GSI副社長に質問したところ、「この病院は80%がSUSで透析治療を受けられています。多くのSUS病院では最低限の手入れになり、装置外側の劣化などに繋がります。当社でもスタッフを定期的に派遣してメンテナンスを実施しておりますが、同院スタッフの質の高さを感じます」と称賛した。