松栄孝さん(71歳、兵庫県)が『身近なアマゾンⅡ〔トゥッカーノの里〕消え行くインディオ文化記録への旅』の出版記念会を20日(土)、21日(日)にサンパウロ市のフォノマギ竹内書店(Rua.Glória 299)で開催する。
松栄さんは両日、同書店で9時~17時の間、購入者にサイン対応などを行う。書籍の言語は日本語で全284頁。70レアル。
書籍は22日から太陽堂書店、フォノマギ書店、高野書店、移民史料館でも販売を開始する。
本の内容を一言で表すと何かと松栄さんに問うと、「インディオ文化の再発見」と応えた。同著では2001年頃に訪れたアマゾンで原住民族のトゥッカーノ・インディオと1週間過ごした記録が綴られる。
松栄さんは2007年まで観賞魚輸出会社を営んでおり、ブラジル環境省の正式な漁師資格も持つ。漁でモンテクリスト村に滞在した際、同地原住民の子供にポ語を教える教師のアンテノールに「故郷の長老の話や唄をテープで記録して欲しい」と頼まれた。
松栄さんはアンテノールと共にモンテクリストからさらに上流に位置するパリ・カショエイラのサントメ村に向かい、一族の長老オモホリさんの唄や話を記録した。唄は30分程の長さで一族の歴史を伝えるものだという。
唄には、当地にどのようにたどり着いたというルーツから、今日までの歴史が脈々と歌い継がれている。松栄さんは1週間の交流を通し「彼等の先祖がどのような道を辿ってきたかを聞くと、色々なルーツが入り混じっていると気づきました」と語る。
「そうなると、人種や民族の違いをどこでわけるのか考えるきっかけになりました」と頷き、「分けるとすると、やはり言語になるのではないか」と見解を示した。
基本言語と民族の区別については、6章『基本的言語と滅び行く者について』(51頁~54頁)でも、同氏の娘とその友人といった身近な体験を例に綴っている。
同著は2008年頃までサンパウロ新聞に全120回ほどの連載で掲載されていた文章をまとめたもの。「一昨年末に出版したかったがパンデミックの影響で遅くなってしまった」と説明する。
松栄さんは「知人にも本をお送りしたいのでご連絡下さい」と呼びかける。連絡は松栄さんのメール(taka08031950@gmail.com)、または経営するすし店の天寿司(電話=11・5594・0150)まで。