中央銀行が導入した新決済方式PIXが16日で1周年となり、新たな機能追加と16日付現地サイトなどが報じた。
PIXに加えられた機能は、強盗被害に遭ったりして不正に行われた送金や金融機関のオペレーションのミスで生じた誤送金は返金に応じるというものだ。返金を可能とする意向は中銀も6月に表明しており、金融機関側の準備期間を経て本格始動する。
また、29日からは、買い物をした時に購買額以上の額をPIX送金すると、差額分を現金で受け取れるPIX Trocoや、指定された店や現金自動払い機(ATM)などで現金を引き出せるPIX Saqueも始まる。
中銀はオープン・バンキングの機能を拡張してPIXの利用者を増やす意向で、ソーシャルネットワークと購買用やメッセージ交換用のアプリを使うと、PIXでの支払いを行うためのリンクの受け取りや支払いの確認が可能となる。
中銀によると、PIXを利用するための鍵の登録数は3億4810万件で、1億1262人が利用している。内1億524万人は個人(自然人)で、741万人が法人だという。PIXの利用者(個人)は最大五つ、法人は最大20の鍵を登録できる。
PIXの利用は急増中で、10月の利用額は5020億レアルに達したという。昨年11月は251億レアルだった。
中銀によると、10月の利用額の75%は個人同士によるもので、昨年11月の87%より減った。他方、個人が法人に払った金額は5%から16%に増えた。
14日付エスタード紙によると、PIXの導入により、市場で流通する現金の額は昨年末よりも400億レアル(10・5%)減ったという。