サンパウロ州議会で10月15日19時から「侍の日(DIA DOS SAMURAI)」にちなんで、ブラジルやブラジル日系社会に貢献した22人を顕彰する式典が行われた。
「侍の日」は、故神之田常盛さん(日本杖道会会長、神道夢想流杖道免許皆伝)と、そのブラジルでの弟子・岸川ジョージ二天武道研究所主宰が当地に貢献した功績を称えて、2005年に聖市議会によって4月15日に制定された。今年に入りサンパウロ州でも制定された(Lei 17.328/2021)。尚、この日を制定したのは岸川氏の誕生日に合わせた為という。
当日は本会議場で開催され、西川パウロ聖州議とブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長、二天武道研究所からは岸川ジョージ氏の代理としてサクラ・マウリシオ氏が参加した。
まずコロナ禍で犠牲になった人への1分間の黙祷から始まり、その後、日本とブラジルの国歌斉唱。その後、侍を題材にしたビデオや二天の歴史のビデオ鑑賞が行われた。西川州議は開会の挨拶で、「今回、侍の日が聖州でも承認・制定されたことは大変喜ばしい。ブラジル日系社会と次世代の後継者に日本文化を残すためには、このような日本の伝統を当地ブラジルに残すことが重要」と力強く答えた。
また二天のマウリシオ氏は日本文化の価値について、「岸川先生が伝えた勇気、名誉、忠誠、知恵の探求といった日本の侍の価値観は、今でも二天の生徒達に根強く残っている。もちろんこの考えは日系社会に根強い。今後も残していかなければならない」と語った。
受賞者を代表して石川レナト氏がスピーチを行い、「ここブラジルで日本の文化を広め、日本でブラジルの文化を広めることはとても重要。私は7歳のころ剣道を始め、そこで日本人の心である謙虚さや尊敬、忠誠心などを教わった。これからもブラジル日系社会にこの考えをさらに伝えていきたい」と強調した。
その後、受賞者に記念プレートが手渡された。受賞者は以下の通り。石川レナト、故下本八郎、福原カルロス、谷口ジョゼ、佐藤直、山添源二、清原健二、与那嶺信次、シマダ・ジャケリネ・ダニエラ、キムラ・ジロウ、マツナガ・リョウイチ、故菅沼ミゲル、マリア・エリザベッチ・ガンビニ、マリオ・アウロ・デ・メロ、レジアニ・ガマシャビエ、アントニオ・サベル・ポンペオ、マリア・レジナ・マキオンリ・ヤフダ、カルロス・マーティン、松永英一、キムラ・ジロー、マルシオ・ホドリゴ・島田、セルジオ・ドウート(敬称略)。
今回受賞した山添さんは、「支えてくれた周りの人に感謝。嬉しい気持ちとこれからも頑張ろうという気持ちです」と喜びを語った。清原さんは「受賞して本当に嬉しい。これからも侍の心をもって日系社会の為に頑張りたい」と笑顔を浮かべて述べた。