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《ブラジル》LJで断罪の両替商の資産競売=土地や家を1290万レで売却

メッセルの資産競売について報じた16日付G1サイトの記事の一部(写真はバーラ・ダ・チジュッカのアパート)

 2014年から始まった大規模な汚職摘発のラヴァ・ジャット作戦(LJ)で断罪された闇の両替商ダリオ・メッセルの資産が競売にかけられ、土地や家、アパートが1290万レアルで売れたと16日付G1サイトなどが報じた。
 16日に競売にかけられたのはアパート6軒と家1軒、土地1カ所で、リオ市コパカバーナ区のアパートなどを除く物件五つが売れた。売れ残った物件は23日に行われる第2陣目の競売にかけ直される。
 競売にかけられた物件は時価総額1170万レアルとされていたが、コパカバーナのアパートなどを除く物件五つが1290万レアルで売れた。
 最も高い値がついたのはバーラ・ダ・チジュッカ区にある4319・14平米の土地で、最低入札額(底値)の115万3602・99レアルに対し、293件の入札があり、420万レアルで落札された。
 2番目に高く売れたのは、リオ市南部にあり、350平米の家屋で、底値の165万9301レアルに対し、152件の入札があり、260万レアルで落札された。
 落札された物件は皆、底値を上回る金額で売れており、競売を担当した業者は、「この手の競売は通常、底値が下がる第2、第3陣まで持ち込まれる事が多いが、今回はほとんどが売れた」と驚いている。

 また、16日の競売にかけられる予定だったのに、裁判所がストップをかけた物件も複数あり、時価評価額などを見直した後、売れ残ったアパートと共に競売にかけられる事になる見込みだ。
 メッセルは「両替商の中の両替商」とも呼ばれていた大物で、52カ国で16億ドルを動かしていたとして、2018年5月のカンビオ・デスリガード作戦の中心容疑者として逮捕令状が出た。
 メッセルは以来、逃亡生活を続け、サンパウロ州内の友人宅に隠れていたが、2019年7月31日にリオ州の連邦警察の手で逮捕された。
 メッセルはその後、リオ州のLJ特捜班が担当した中では最大規模の報奨付供述を行っており、マラカタ作戦で告発された資金洗浄の罪で受けた2020年の裁判で実刑判決を受けた。実刑期間は13年間だが、現在はコロナ禍のため、自宅軟禁になっている。
 同氏の資産は10億レアルとされ、その一部が裁判所の許可を得て競売にかけられた。売れ残り物件は底値を25%下げた上で、23日に再競売にかけられる。