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《ブラジル》法定アマゾン=10月の森林伐採は877平方キロ=昨年同月を5%上回り記録更新

法定アマゾンの森林伐採が記録更新と報じる12日付G1サイトの記事の一部

 国立宇宙研究所(Inpe)が12日、法定アマゾンでは10月に876・56平方キロの森林が伐採され、昨年同月を5%上回った上、15~21年の同月の伐採記録を更新したと発表したと同日付G1サイトなどが報じた。
 この発表は、第26回国連気候変動枠組条約締結国会議(COP26)でジョアキン・レイテ環境相が、2028年までに不法伐採を撲滅すると約束し、「ブラジルの緑の将来は既に始まっている」と語ったのと相反する内容となった。法定アマゾンは九つの州にまたがり、ブラジル全体の59%を占めている。
 Inpeが使用したのは、3ヘクタール以上の伐採や土地の侵食、焼畑などをリアルタイムで把握できる伐採監視システム(Deter)のデータだ。
 環境監視団体「気候観測所」(Observatório do Clima)事務局長のマルシオ・アストリニ氏は、法定アマゾンの森林伐採の数字はブラジルにはCOP26での約束を果たす意思はない事を示しているとし、「温室効果ガスの排出が起きているのはグラスゴーの会議場ではなく、森林だ」と明言した。

10月の法定アマゾンの森林伐採面積を示すグラフ(12日付G1サイトの記事の一部)

 同氏はさらに、「ブラジル政府はグラスゴーに巨大なブースを用意し、環境問題への取り組みを行っているという錯覚を植えつけようとしたが、世界は、ブラジル政府が用意した展示会場ではなく、ブラジル国内で毎日破壊されている森林の面積に注目している」と言葉をつないだ。
 11月8~11日に全国412市で行われたポデール・ダッタの世論調査では、環境保護に関する現政権の政策に対する評価は、「悪い/最悪」が48%に上っている。
 この数字は5月に行われた調査での50%とほぼ同じ結果だ。同調査の統計上の誤差は2%ポイントとなっている。
 なお、「良い/最良」は19%、わからないと答えた人や無回答者は3%だった。5月の調査でのこの数字は、25%と7%だった。