【既報関連】保健省が16日に接種完了から5カ月以上を経た18歳以上の人全員に補強接種を認めた事を受け、サンパウロ市が同日、18日から新基準に沿い、補強接種の対象を拡大する意向を表明。他の自治体でも続々と同様の声が上がっていると16、17日付現地紙、サイトが報じた。
保健省の発表は、国家衛生監督庁(Anvisa)や全国保健局審議会(Conass)、新型コロナ免疫化技術諮問室(CTAI)の同意も得ずに行われた。
補強接種は医薬品メーカーによる使用説明書に書かれていない使用方法だが、薬品会社も申請済みのファイザー社製ワクチンによる補強接種はAnvisaも了承済みだ。
保健省は補強接種に使うワクチンは、それ以前に接種されたワクチン以外のものが望ましいとするのみで、使用ワクチンの種類をファイザー社製に限定していない。
また、1回の接種で完了とされてきたヤンセン社製ワクチンは、2回目の接種を行うと免疫力が向上する事が確認されているが、Anvisaには使用説明書の書き換え申請は出ておらず、従来通り、1回の接種で接種完了とみなされる。
ただ保健省は、ヤンセン社製ワクチンで接種を受けた人には接種日から2カ月後に2度目の接種を受けさせ、それから5カ月後に補強接種を行う意向だ。
Conassは数カ月前から22年からは18歳以上の人への補強接種をと訴えていたため、反対はしていない。だが、ワクチンの配布は保健省管轄で、教育関係者への補強接種実施中のサンパウロ州など、独自のスケジュールを立てている自治体もあるため、接種完了後5カ月を経た18歳以上の人全員に対応する時期は自治体毎に異なってくる。
また、補強接種の対象拡大より接種未完了者対策を急ぐべきとの声が出ている事で、保健省は20~26日を2度目の接種促進週間とする。2度目の接種が2週間以上遅れている人は、サンパウロ州410万人、ミナス州220万人など、計2100万人以上とされている。
接種完了をイベント会場などへの入場資格に加える自治体や従業員の採用基準に加える企業が増えている中、労働社会保障省が出した、未接種者や接種未完了者の解雇を規制する省令は、ロベルト・バローゾ最高裁判事の司法判断で差し止められた。
同省令は、安全な労働環境維持や集団免疫といった理由で、労働検察などからの批判の的となっていた。この判断は最高裁の大法廷で審理されるまで有効だ。