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■社告■=本紙年内廃刊のお知らせ=ニッケイ新聞社長 高木ラウル

 愛読者の皆様に悲しいお知らせがあります。
 ニッケイ新聞は本年12月18日号を持って廃刊することになりました。
 私は1981年に日伯毎日新聞に入社、83年から社長に就任しました。さらに、98年3月にニッケイ新聞に合併してからも、ずっと社長を続けてきました。
 このように今まで40年に渡って邦字紙に関わってこれたことに関して、愛読者の皆様、広告主などの協力者の皆様に、心からの感謝を捧げたいと思います。
 また、今まで一生懸命に働いてくれた社員や営業員、地方代理人、集金人などの皆さんのおかげでもあります。
 中でも、配達の遅れや様々な問題が起きても読み続けていただいた愛読者の皆様には、どんなに感謝してもし尽くせません。
 読者の皆様からは「あんたのとこの新聞は1カ月遅れで、しかもドサッとまとめてつく。届いたときから古新聞だ」などとのおしかりの言葉、と同時に「新聞がないと世の中の動きが分からない。邦字紙は闇夜の灯台だ。ぜったいに潰さないで」などの励ましの言葉を、繰り返し、繰り返しいただいてきました。
 そのような叱咤激励があればこそ、ここまで続けて来れたと自負しております。
 我々を信じて、敢えて、数年分の購読料を先払いしてくれた読者もいらっしゃいます。本当に感謝の言葉もありません。皆様のご協力がなければ、今まで続けることはまったく不可能なことでした。
 正直な話をすれば、日伯毎日新聞の時代から、我慢比べのような苦しい経営状態をずっと続けてきました。
 その中で2018年末には、誰もが最後まで残るだろうと思っていた、仰ぎ見るような存在であったサンパウロ新聞が先に廃刊しました。
 結果的に、ブラジルの邦字紙はニッケイ新聞だけになってしまい、非常に心細い状態を今まで3年間続けてきました。
 おそらくコロニアの大半の皆さんも、「いずれ時間の問題でニッケイ新聞も終わる」と確信されていたのではないかと思います。
 愛読者の皆様からお力をいただき、なんとかここまで続けてきました。
 ですが、コロナ禍によって購読者は大きく減り、さらに広告も激減しました。それ以前から厳しい状態だった経営は、パンデミックによって完全にトドメをさされました。
 愛読者の皆様には、本当に申し訳ありません。これ以上、発行が続けられなくなりました。12月18日号をもって廃刊することを、ここに公表いたします。