地理統計院(IBGE)が19日、20年の収入形態は19年と大きく異なり、月収も12年並みの水準まで減ったと発表したと同日付現地サイトが報じた。
20年はコロナ禍で、在宅勤務が増え、時短・減給で雇用維持など、雇用条件が急変した上、失業者も急増。減給や失業で貧困・極貧者が増え、緊急支援金支給などの救済策も導入された。
これにより、給与労働者は9280万人(人口の44・3%)から8470万人(40・1%)に減少。(給与や年金、家賃など以外の)その他の収入で暮らす人は、1640万人(7・8%)から3020万人(14・3%)に増えた。
昨年の年金・恩金受給者は2620万人(12・4%)だから、その他の収入で暮らす人は年金・恩金受給者より多い。これは12年に始まった全国家庭サンプル調査(Pnad)継続版で初の出来事だ。
1人あたりの世帯所得は19年の3・4%増を上回る7・2%増を記録したが、労働収入は19年の74・4%が72・8%に減少。年金や恩給は18・7%から17・6%に、家賃収入は2・4%から1・5%に、養育費や寄付などの収入は1・2%から0・8%に、各々、減少した。
全収入を合わせた平均月収は2213レアルで、インフレ調整後の19年の月収2292レアルを3・4%下回った。インフレ調整後の額で見ると、20年の月収は2198レアルだった12年に最も近い。過去の最高額は14年の2304レアル、18、19年の2292レアルがそれに次いでいた。3・4%の減収は統計史上最大だ。
平均月収は南東部が2575レアル、北東部は1554レアルと地域差が大きい。その他の収入の平均月額は1295レアル、年金や恩給の平均は1919レアルで全体平均を下回った。