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《ブラジル》20年の月収は12年の水準?=失業や緊急支援金で形態も変化

所得減と高インフレによる購買力低下による実質的な販売額低下に直面する商店街(Tomaz Silva/Agencia Brasil)

 地理統計院(IBGE)が19日、20年の収入形態は19年と大きく異なり、月収も12年並みの水準まで減ったと発表したと同日付現地サイトが報じた。
 20年はコロナ禍で、在宅勤務が増え、時短・減給で雇用維持など、雇用条件が急変した上、失業者も急増。減給や失業で貧困・極貧者が増え、緊急支援金支給などの救済策も導入された。
 これにより、給与労働者は9280万人(人口の44・3%)から8470万人(40・1%)に減少。(給与や年金、家賃など以外の)その他の収入で暮らす人は、1640万人(7・8%)から3020万人(14・3%)に増えた。
 昨年の年金・恩金受給者は2620万人(12・4%)だから、その他の収入で暮らす人は年金・恩金受給者より多い。これは12年に始まった全国家庭サンプル調査(Pnad)継続版で初の出来事だ。

 1人あたりの世帯所得は19年の3・4%増を上回る7・2%増を記録したが、労働収入は19年の74・4%が72・8%に減少。年金や恩給は18・7%から17・6%に、家賃収入は2・4%から1・5%に、養育費や寄付などの収入は1・2%から0・8%に、各々、減少した。
 全収入を合わせた平均月収は2213レアルで、インフレ調整後の19年の月収2292レアルを3・4%下回った。インフレ調整後の額で見ると、20年の月収は2198レアルだった12年に最も近い。過去の最高額は14年の2304レアル、18、19年の2292レアルがそれに次いでいた。3・4%の減収は統計史上最大だ。
 平均月収は南東部が2575レアル、北東部は1554レアルと地域差が大きい。その他の収入の平均月額は1295レアル、年金や恩給の平均は1919レアルで全体平均を下回った。