中銀の経済動向予想調査「フォーカス」によると、今年のインフレ予測は9・77%から10・12%に引き上げられ、国内総生産(GDP)成長率は4・8%に下方修正されたと同日付現地サイトが報じた。
今年のインフレ予測は33週連続で引き上げられ、遂に2桁になった。33週連続のインフレ予測引き上げは政治の不安定さも反映しており、当面は高止まりした状態が続く事は不可避だ。
10月の広範囲消費者物価指数(IPCA)は燃料費と食費の値上がりで1・25%上昇しており、12カ月間の累積も10・67%となっている。大規模な金融緩和や政局の不安定さはドル高を招き、インフレを加速させる。
来年のインフレ予測は4・96%で据え置かれたが、この数字は来年もインフレ目標の上限である5%を突破する可能性がある事を示している。
今年最後の通貨政策委員会(Copom)では経済基本金利(Selic)を1・5ポイント以上上げる可能性があるが、市場の予想は1・5ポイント増の9・25%だ。Selic引き上げの効果は半年位経ってから出るとされているが、今年は効果を確認する間もなくSelicを上げる状態が続いている。
来年の金利は11・25%、23年と24年は7・75%と7%と予想されている。Selic引き上げは融資利用などを困難にし、経済成長を促すための投資が制限される可能性もある。
高インフレによる購買力低下や電力危機、雇用回復の遅れ、原材料不足などに、ドル高が重なれば経済成長を阻害する。為替の予測は1ドル=5・5レアルで据え置かれたが、今年のGDP予測成長率は4・88%が4・8%に引き下げられた。来年も0・7%と低成長が予想されている。