ホーム | ブラジル国内ニュース | 《リオ市》アストラゼネカ社製ワクチンで好結果=マレー地区の集団接種後のデータで

《リオ市》アストラゼネカ社製ワクチンで好結果=マレー地区の集団接種後のデータで

マレー地区でのワクチン接種の様子(Fernanda Frazao/Agencia Brasil)

 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が22日、リオ市マレー地区の貧民街群で行ったアストラゼネカ社製ワクチンによる集団接種で、同社製ワクチンは初回接種だけでも好ましい結果を出せる事が判明したと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 Fiocruzによると、初回接種から21日経った時点での新型コロナ感染症の症状が出た人の発生率は、無接種状態だった時(初回接種を行う前)よりも42・4%低かったという。
 リオ市はマナウス起源のガンマ株とインド起源のデルタ株の感染拡大にさらされていた。そのような中でも初回接種だけで40%以上の感染抑制効果が得られた事は非常に高く評価された。
 ただし、Fiocruzや専門家は、ワクチン接種の効果を高めるには2度の接種を受ける事が必須と強調している。
 ワクチン接種によって得られる感染抑制効果は年齢層によって異なっており、35歳以下では57・5%だったが、それ以上の層では34・8%に落ちた。

 他方、18歳以上の人全体で見た初回接種後42~55日の時点での感染抑制効果は58・9%で、全年齢層で抑制効果が継続している事が確認された。ただし、これ以上経つと、感染抑制効果は低下するという。
 マレー地区には17の貧民街が集まっており、13万人が、医療機関へのアクセスなども含め、非常に脆弱な生活基盤の下で生活している。
 生活基盤が脆弱な地域でのコロナ禍の影響は、今回の調査目的の一つだ。一般的なデータでは特殊性が無視され、状況が均質化されてしまうため、地区毎の特性に即した公共政策を打ち出す事が困難となるからだ。
 Fiocruzでは、同地区での研究は、パンデミックによって深刻な影響を受けているのに、その実態がとらえられていなかったコミュニティの人々に対するワクチンの感染抑制効果を知るための先駆的なものと位置づけている。