ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》第3Qの家屋販売が大幅に減少=資材の値上がりと購買力低下で

《ブラジル》第3Qの家屋販売が大幅に減少=資材の値上がりと購買力低下で

家屋販売でも国内最大市場のサンパウロ市(Diogo Moreira/Divulgacao Governo de Sao Paulo)

 ブラジル建設産業協議所(CBIC)が22日、第3四半期の家屋販売は前期比で11・2%、昨年同期比でも9・5%減少したと発表したと同日付伯字サイトが報じた。
 この数字は、20の州都を含む162市の発売数や販売数、価格などを調べて出したものだ。
 CBICでは、第3四半期の販売数減少の主な原因を、建築資材の値上がりに伴う家屋価格の上昇と消費者の購買力の低下と見ている。ただし、1~9月の累計販売軒数は、昨年同期比で22・6%増えている。
 CBICのジョゼ・カルロス・マルチンス会長は、「上半期が非常に好調だったから、今年も良い結果を残せると思う。だが、第3四半期の落ち込みは予想以上に大きかった」と語っている。

 同氏によると、建築資材や建設用の機器の値上がりは激しく、パンデミックが始まってからの全国建設コスト指数(INCC)は30%以上上昇しているが、家屋価格に転嫁されたのは資材や機器の値上がり分の一部で、家屋価格はもっと値上がりしていた可能性がある事も明らかにした。
 家屋販売減少の理由は価格の上昇だけではなく、インフレ高進や雇用状況の改善の遅れによる購買力の低下の影響も大きい。広範囲消費者物価指数(IPCA)は既に、12カ月の累計で10%以上の上昇を記録している上、インフレ抑制のための経済基本金利(Selic)引き上げで、住宅ローンを組むのも難しくなっている。
 建設業界では、今年は上半期の販売が順調だったから年間36~40万人の雇用増が可能と見ているが、第3四半期の販売が落ち込んだ事で、雇用増が10%減る可能性や来年への懸念も口にし始めている。