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《ブラジル》第4Qの売上が大幅減少?=インフレの影響は来年まで

年頭と現在の見通しの違いを示す図(23日エスタード紙電子版の記事の一部)

 全国財・サービス・観光商業連合(CNC)が23日、インフレ高進と経済基本金利(Selic)引き上げで、第4四半期の売上は447億レアル減るとの見通しを明らかにしたと23日付現地サイトが報じた。
 ブラック・フライデーやクリスマス商戦がある第4Qは小売業界の書き入れ時だが、今年はインフレ高進と金利の引き上げ、所得減少で消費者の財布の紐が固くなり、年頭に予想されていた売上額を447億レアル下回ると見られている。
 中銀の経済動向予想調査などは年頭に、インフレ率3・32%、Selic3・25%と予想していた。また、消費者向け融資の返済金利は年40・8%、実質所得の伸びは2・4%、第4Qの小売販売は昨年同期より4・4%増の7920億レアルと見られていた。

 だが、現在の予想値はインフレ率9・80%、Selic9・25%、返済金利年44%、実質所得マイナス1・9%、第4四半期の売上は昨年同期比で1・5%減の7473億レアルに書き換えられている。
 インフレ高進やそれを抑制するための金利引き上げの影響は来年まで続く。歳末商戦が順調な時は、1月に在庫を補充する必要が生じ、工業などの業績アップを招く上、季節雇用のはずだった人が本採用となる可能性も高まる。つまり、年末の勢いが翌年年頭、ひいては年間の経済活動の行方まで決めるのだ。
 そういう意味で、CNCの予想が的中すれば、来年の経済活動は非常に緩やかな成長から始まる可能性が強まる。小売店の中には、否定的な要因緩和で売上を確保するため、分割払いの期間延長などの対策を採るところもあるが、447億レアルをひっくり返せるかは不明だ。