91年ぶりの少雨と干ばつで、水力発電量が落ち込み、火力発電所の稼働率が最大限に上がっている。その中で、発電コストや環境面への影響を考えた火力発電所が、太陽光発電用のパネルを設置するための許可を申請するなど、ハイブリッド化が加速していると25日付現地紙が報じた。
ハイブリッド化を試みている発電所の一つは、アマゾナス州内に42の火力発電所を有するオリヴェイラ・エネルジア社だ。同社は現在、国家電力庁(Aneel)に太陽光発電用パネルの設置許可を申請している。
試算では、マナウス市内の火力発電所の場合、150枚のパネルを設置する必要があるが、経費は4年間で5260万レアル節約できるという。
ブラジルは水力発電への依存度が高く、ダムの貯水量が十分なら、経費のかかる火力発電所は休ませておくのが通例だ。だが、雨の少ない時期や、今年のような水危機の時は火力発電への依存度が増す。
近年は風力発電や太陽光発電が増え、クリーンエネルギーの比率は水危機の中でも80%を超えている。火力発電用の燃料の原油や天然ガスは価格が高く、火力発電所の稼働率が高いと消費者の負担も大きくなる。
このため、太陽光発電で足りない分を火力発電で補う事で発電経費を節約すれば、化石燃料の使用量や温室効果ガスの排出量が減る上、消費者の負担も小さくなる。
だが、全国の発電所を結んで電力確保を行うための全国相互接続システムではハイブリッド化にむけた基準がまだ整備できていない。同システムにつながっていない発電所は入札時にハイブリッド型でも良いと規定されているが、国のシステムに参加する発電所のハイブリッド化はまだ試行段階といえる。