28日は国家高等教育試験(ENEM)の2日目で、自然科学(物理、化学、生物、地学)と数学の試験が行われ、ブルマジーニョ・ダムの決壊やサッカーのブラジル杯に関する問題などが出た。29日付現地紙が報じている。
例年、初日に行われる作文や外国語、人文科学(歴史、地理、哲学)では出題傾向が問われる。今年はとりわけ、ボルソナロ大統領が試験直前に、「これで連邦政府の色が出る」と語ったため、政府の教育への介入が危惧されたが、人権に関する問題など、ボルソナロ政権がむしろ好まない出題がなされた。
2日目は初日ほどイデオロギーの出やすいものではないが、今年の場合は自然科学の問題で、2019年にミナス・ジェライス州マリアーナで起こったブルマジーニョ・ダムの崩壊による自然災害や、パンタナルでの大型動物の絶滅などに関連した問題が出た。
また、数学の確率の問題では、サッカーのブラジル杯での過去の実績から優勝確率を計算する問題が出て、話題を呼んだ。
今年のENEMには400万4764人が申し込んだが、正式に登録を行ったのは310万9762人で、昨年より約300万人少なかった。また、初日は26%が病気その他の理由で欠席した。再試の申し込みは29日から12月3日までとなっている。