鹿児島県人会(文岡正樹会長)は10月31日に、鹿児島商工会議所協賛、クワズル・ガストロノミア調理協力で「奄美郷土料理鶏飯&鹿児島県産茶セット販売」を開催し、2人前のセット約220人前を販売した。このイベントは、奄美大島が世界自然遺産登録されたことと鹿児島県茶が産出額1位になったことを記念して開催した。
当日は調理をサンパウロ市のクワズル・ガストロノミアが担当し、鶏飯はご飯の上にほぐした鶏肉、しいたけ、錦糸卵、葱などが色とりどりに盛り付けられており、別途で鶏ガラだしも用意されていた。「とりめし」が炊き込みご飯に近いのに対し、「けいはん」はだし茶漬け風の特色を持つ。
その他、婦人部作成のかしゃ餅も販売。また付録として日ポ語で鶏飯と鹿児島県茶の説明が書かれた紹介書と、ティーパックの鹿児島茶2種類、アンケートが付くなど手間を惜しまないイベントだった。
クワズルは、桑鶴兄弟が経営する日本食店で、その父・忠志さんが鹿児島県出身。父はコチア青年第一次五回で、1953年に移住、1962年には第一回全伯相撲大会で優勝した経歴も。料理が得意なことから同店を立ち上げた。
現店主で息子の桑鶴ジルベルト・シズオさん(四世・52)と調理のエミリオ・スエヒロさん(四世・50)が継ぎ、現在に至る。
シズオさんは「父は鹿児島県出身で、家でもよく鹿児島料理を食べていました。生前にレシピを残してくれたので、今でも郷土料理を作ることができる。今回は母県を代表する『鶏飯』ということで協力させてもらった。おかげで完売御礼、お客様も県人会も喜ぶ顔が見られてよかった!」と元気に語った。
文岡会長は「今回は母県にとっても県人会にとっても大切なイベント。利益よりも島のPRと祝賀の為に開催しました。鹿児島商工会議所と桑鶴さんの全面協力や、青年部が注文や配送を頑張ってくれたおかげで無事完売御礼! 感謝! これからも母県を少しでも多くの人に紹介できるようイベントを行いたい」と述べた。
当日は過去に鹿児島に県費留学した青年部部長の酒匂・ダニエラ・真由美さんと渉外部長の佐野ラウラ広美さんも手伝っていた。酒匂さんは、「県費留学の時に食べた鶏飯の味とそっくり! 県人会を通じて母県のことを知ってもらえて嬉しい」と述べ、佐野さんは「これからももっと鹿児島を知って貰えるようなイベントを皆で開催したい」と笑顔で語った。