ルーラ元大統領(労働者党・PT)は11月30日、大統領選での副候補として噂されている元サンパウロ州知事のジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)に関して「選挙に勝つためにシャッパを組みたい」と発言。また、アウキミン氏も噂の存在を正式に認めた。かつては強く対立していた二大政党の大物2人によるシャッパ(連名式名簿)成立の可能性が現実味を帯びている。11月30日、12月1日付現地紙、サイトが報じている。
ルーラ氏は11月30日、ラジオ局「ラジオ・ガウーシャ」のインタビューで、アウキミン氏とのシャッパの噂について、質問を受けた。
ルーラ氏はこれを否定することなく「今、我々は話をしているところだ」と答え、実際に交渉を行っていることを強調した。
さらにルーラ氏は、「まずは、アウキミン氏がどの党に入るのかが知りたい」と語り、「選挙に勝つための強力なシャッパを築き上げたい」と言い切った。
アウキミン氏は2006年の大統領選で、PSDBの大統領候補としてルーラ氏と決選投票を争った。だが、近年は自身が政界に引っ張ってきたジョアン・ドリア・サンパウロ州知事と対立。かねてから離党が噂されていたが、11月27日のPSDBの党内選挙でドリア氏が同党の大統領候補になったことで、党に居場所がなくなったと見られている。
アウキミン氏の移籍先はまだ確定していないが、ブラジル社会党(PSB)に決まれば、同党が画策するルーラ氏とのシャッパがかなり現実に近づく。
一方、アウキミン氏は11月29日、フォルサなどの労組のリーダーたちとの会合に参加した際、ルーラ氏とのシャッパの存在を認めた。
アウキミン氏は「党を移籍するならどこに行くか」との質問を受け、「サンパウロ州知事になりたいのなら社会民主党(PSD)に移籍して、(2014年の知事選と同様)マルシオ・フランサ氏(PSDB)とシャッパを組む」と答えた。
だが、その後、「大統領選を狙うならPSBで、フランサが知事だよ」と答えた。労組のリーダーたちはこの回答を全く予想しておらず、驚きをもって迎えられている。
また、フランサ氏も11月26日に、アウキミン氏をルーラ氏の副候補にするという案を強く支持する発言を行っている。フランサ氏は雑誌「カルタ・カピタル」のインタビューで、「この2人が組めばかなり強力になる」と賞賛。さらに、この案そのものがフェルナンド・ハダジ氏(PT)から出たものであることも明かしている。
ハダジ氏はPTのサンパウロ州知事候補と目されているが、18年の知事選挙の決選投票ではドリア氏に僅差で敗れたフランサ氏も、知事の座を狙っている。
両者は11月19日に会合を行っており、元サンパウロ市市長で18年大統領選次点だったハダジ氏と、元サンパウロ州知事のフランサ氏がシャッパを組む可能性があるのか、あるとすればどちらが正候補かが注目されている。