【既報関連】サンパウロ市のアドルフォ・ルッツ研究所が11月30日と12月1日に、ブラジル人3人が南アフリカ起源の新変異株オミクロンに感染していた事を確認したと11月30日、12月1日付現地サイトが報じた。
サンパウロ州保健局の発表によると、11月30日にオミクロン感染が確認されたのは南アフリカ在住で41歳と37歳のブラジル人の夫婦で、11月23日の帰国時のPCR検査では陰性だったが、2日後に南アフリカに戻ろうとして空港で受けた検査で新型コロナへの感染が判明。その後の検査でオミクロン株感染が確認された。
この夫婦は南アフリカでヤンセン社製のワクチンの接種を受けており、症状は軽いという。二人は隔離状態に置かれており、サンパウロ市保健局が経過を観察している。
また、二人が帰国後に訪問したサンパウロ市東部に住む親戚も同市保健局の観察対象とされ、1日にPCR検査を受ける事になっている。親戚も全員が新型コロナのワクチン接種を受けているという。
1日にオミクロン感染が確認されたのは、エチオピアにいた後、南アフリカ経由で帰国した29歳の男性で、搭乗前のPCR検査では陰性だったが、11月27日にグアルーリョス市の空港に到着した時に受けた検査で陽性反応が出た。
この男性はファイザー社製ワクチンの接種完了者で無症状だったが、1日にオミクロン株感染が確認された。男性はグアルーリョス市で隔離状態に置かれている。
最初の2人は世界保健機関(WHO)が警告を発する前に南アフリカを発っており、3人目もブラジルが南アフリカ諸国からの航空便受け入れを停止する前に帰国していた。この事は、29日から始まった水際作戦以前にオミクロン株が国内に入って域内感染を引き起こしている可能性がある事を示している。
また、11月30日夜の報道ではこれらの3人以外にも、ミナス州で1人、連邦直轄区(DF)で4人がオミクロン株感染か否かの確認中だ。
また、1日にはリオ市保健局が、南アフリカ経由の旅行者で、11月21日に帰国した後、サンパウロ州経由でリオ市に戻った女性が新型コロナに感染している事が判明し、どの株に感染しているかを確認中と発表した。
同市保健局によると、この女性も帰国時の検査では陰性だったが、11月29日に検査を受けたところ、翌30日に感染が判明したという。女性は無症状で、市保健局の観察の下で隔離状態に置かれている。
保健省や専門家はワクチン接種が最大の防御策だが、マスク着用や手洗い励行も大切と主張。サンパウロ州政府も11日からの予定だったマスク着用義務解除について再考中だ。
★2021年11月30日《ブラジル》帰国者にもオミクロン感染の疑い?=南ア諸国からの入国に制限=ブラジル人旅行者は2週間隔離
★2021年12月1日《ブラジル》8州都が年越し行事キャンセル=コロナ再燃の危機感が高まり=リオやサンパウロも様子伺う
★2021年11月27日《ブラジル》南アフリカから新変異株流出=株価3%超下落、危機感高まる=Anvisaが入国制限要請