2013年に242人もの死者を出したリオ・グランデ・ド・スル州のライブハウス「KISS」での火災事件に関する裁判が1日から同州の地裁ではじまった。1日付現地サイトが報じている。
この事故は2013年1月27日、リオ・グランデ・ド・スル州サンタマリアにあるKISSで、セルタネージャのバンド、バンダ・グリザーダ・ファンダンゲイラが演奏中、発炎筒のように炎が高く上がる花火を使う演出を行ったところ、有毒ガスを発する素材を使った天井に引火して起きた。
入場者が多すぎたのに加え、煙が短時間で広がる中、避難経路を示す誘導灯が機能しておらず、たった一つの出口に殺到して折り重なって脱出できない人が煙に巻かれた結果、242人が死亡、636人が負傷する大惨事となった。
死者の多くは退路を断たれて折り重なるように倒れており、一酸化炭素中毒で亡くなっている。サンタマリアは学生街として知られており、犠牲者の大半も大学生だった。
将来を約束されていた若者たちが亡くなり、後遺症に悩まされる人たちも多数出たこととや現場の悲惨さは、多くの人たちの涙を誘った。
その後もこの事件に関する裁判はなかなかはじまらなかったが、発生から8年11カ月を経て、ようやく陪審裁判がはじまった。
今回の裁判ではKISSのソーシオ(共同経営者)2人(エリサンドロ・カレガロ・スポール、マウロ・ロンデロ・ホフマンの両被告)、バンダ・グリザーダのヴォーカリストのマルセロ・デ・ジェズス・ドス・サントス被告、音楽プロデューサーのルシアーノ・ボニーリャ・レオン被告の4人が裁かれることとなる。
★2013年1月29日《ブラジル》南大河州=ナイトクラブで大火災=史上2位の231人死亡=バンドの炎の演出が原因
★2013年1月30日《ブラジル》ナイトクラブ大火災=涙にくれるサンタマリア=葬儀と追悼行進行われる=ボランティアの人々も殺到
★2013年8月1日《ブラジル》KISSの大火災事故から半年=各々の立場で現状を語る=27日には記念の集会も