日系画家・故大竹富江の息子にして、有名建築家の大竹マサシ・ルイさんが11月27日、サンパウロ市内マウリ街のアパートで亡くなった。享年83歳。葬儀は親族のみで行われ、同日17時にホルト・ダ・パズで火葬された。大竹さんは約4カ月ほど前に骨髄異形成症候群という珍しい癌が見つかっていたという。
大竹さんは1960年にサンパウロ州立総合大学(USP)の建築都市計画学科を卒業。翌年61年にサンパウロ市で事務所を立ち上げて住宅や商業施設などのプロジェクトで設計を担ってきた。
サンパウロ市内の「ホテル・ユニーク」「ルネッサンス」などの建物が特に有名だが、他にもチエテエコロジカルパーク、大竹富江研究所、サコマン区のバスターミナル等も手がける。
日本では駐日ブラジル大使館の設計も手がけ、2018年には「平成30年春の叙勲」で旭日小綬章を受章。同年時点で400を超えるプロジェクトを手がけていた。
大竹さんが亡くなった同日にはジョアン・ドリア州知事もツイッターでその死を悼み、「母の大竹富江が芸術面で優れていたように、息子は建築面で優れていた。2人ともブラジル文化や価値観に多大な貢献をした」と生前の貢献を称えた。