【既報関連】サンパウロ市で2人、グアルーリョス市で1人が南アフリカ起源の新型コロナの変異株オミクロンに感染していた事が判明したのを受け、サンパウロ市が2日に年越しイベント(レヴェイロン)中止を決めたと同日付現地サイトが報じた。
サンパウロ市のリカルド・ヌネス市長はジョアン・ドリア・サンパウロ州知事と共に旅行中のニューヨークから、年越しイベント中止とマスクの着用義務継続を正式に発表した。
同市長は11月30日に年越しイベントは予定通り行うとの意向を表明していた。だが、同日から1日にかけて3人のオミクロン株感染が確認された事で、慎重な姿勢を求める声が高まり、イベント中止が決まった。保健省の勧めもあり、同市では開放空間でのマスク着用義務も継続する。
11日から開放空間でのマスク着用義務解除との方針はサンパウロ州政府が11月24日に明らかにしたものだが、州政府も2日にマスク着用義務継続と発表。州内でも年越しイベントを中止する自治体が増えている。
2日朝現在のサンパウロ州のワクチン接種完了率は76・2%、7日間平均は感染者が897人、入院者が289人で、共にマスク着用義務解除基準を満たしているが、死者の7日間平均は74人で、50人以下という基準を満たしていない。
サンパウロ市が年越しイベント中止を決めた事で、大晦日から新年にかけての公式イベントを全てまたは一部中止した首都・州都は最低17に増えた。
他方、リオ、マナウス、マセイオ、ポルト・ヴェーリョの各市はイベントを開催する予定だ。テレジーナ、リオ・ブランコ、ゴイアニア、ボア・ヴィスタはまだ検討中だという。
なお、世界保健機関は1日、ワクチン接種の遅れと検査数が不十分である事がオミクロンを含む変異株や感染者の増加を招いていると警告。
サンパウロ市やサンパウロ州はワクチン接種完了率向上のため、在学中の生徒には学校に出向いて接種を施すことや、2度目の接種が遅れている人を探して接種を促すなどの方策も採用。サンパウロ市では、ヤンセン社製ワクチンの到着が遅れて補強接種ができない人にはファイザー社製ワクチンを使う事も認めた他、路上生活者への補強接種促進にも取り組んでいる。
なお、リオ市は年越しイベントとカーニバルを予定通り行う方針を保つ一方、接種証明の提示義務をバーやレストラン、理・美容室、ショッピングセンターなどにも広げた。ホテルやアプリタイプも含むタクシーの利用にも提示を義務付け、感染拡大を阻む意向だ。
★2021年12月2日《サンパウロ》3人のオミクロン感染を確認=ミナス、DF、リオにも未確認者
★2021年11月30日《ブラジル》帰国者にもオミクロン感染の疑い?=南ア諸国からの入国に制限=ブラジル人旅行者は2週間隔離
★2021年11月27日《ブラジル》南アフリカから新変異株流出=株価3%超下落、危機感高まる=Anvisaが入国制限要請