全国工業連合(CNI)が2日、工業界の原材料不足は依然として深刻で、10月の場合、鉱業と建設業では平均で68%の企業が原材料の調達が困難と答えていると報告したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
この数字は2月に行った調査での73%よりは小さいが、多くの会社は原材料の調達が正常化するのは来年の4月以降と考えている事もわかったという。
製造業では25部門中18部門で、通常以上の金額を払っても国内市場での原材料調達が困難だと答えた企業が3分の2以上あったという。
国内市場での原材料調達が困難と答えた企業の割合は、製靴90%、皮革88%、家具85%、化学薬品79%、衣類78%、木材78%、情報・電子機器製造77%、飲料76%などとなっている。
また、原材料を国外調達に依存している部門でも、18部門がより高い値段を払っても調達が困難だと答えている。
問題がより深刻な部門とその割合は、医薬品88%、電子機械及び材料86%、衣類85%、プラスチック材料84%、清掃・香水82%、繊維81%、家具80%などとなっている。
CNI経済分析担当主任のマルセロ・アゼヴェド氏によると、新型コロナのパンデミック下で起きた原材料不足の原因は一つではない。
10月の調査では、在庫の調整が行われた事がわかっているが、在庫の調整は問題解決の第一歩に過ぎず、工業生産の穴を解決するためには、不可欠かつ、多くの部門が実行しなければならない課題だ。
また、特定の品は世界的な需要拡大で調達が困難になっている。これらの部門では様々な原材料が不足し、生産ラインに携わる人達のストレスを引き起こしている。
さらに、ロジスティクスの経費高騰、高価格、コンテナの品質の悪さが原因で生じる問題もある。一部の国では現地のサプライヤー開発などによって問題を解決しようとしているが、この問題は思い立ったら即座に解決できるという類のものではないし、解決には時間とコストがかかる。
建設業界は2月~10月に問題がより深刻化しており、建築資材や原材料の調達が困難だという企業は72%から75%に増えた。
同業界では、状況が正常化する時期に関する見通しも他の業界より否定的で、88%が原材料の調達が正常化するのは22年と考えている。また、正常化は23年と考えている企業も9%ある。同業界では原材料を国外調達に頼っている企業が27%あり、国外での原材料へのアクセスに困難ありと答えた企業が80%に上っている。