【既報関連】保健省は2日、新型コロナのオミクロン株への感染確認者が2人増え、同株感染者は5人になったと発表したと2、3日付現地紙、サイトが報じた。
新たに確認されたオミクロン株感染者は、南アフリカ発、エチオピア経由の便で11月27日にグアルーリョス空港に到着したブラジル人で、連邦直轄区在住者だ。2日の報道では名前や年齢は明らかにされていないが、1人は無症状で、もう1人も軽症だという。
保健省は同時に、南アフリカ諸国から帰国した新型コロナ感染者でオミクロン株への感染かを確認中の人物が、ミナス州に1人、リオ州に1人、連邦直轄区に6人いる事も明らかにした。
2日現在の新型コロナの感染状況は横ばいに近く、感染者は前日比で1万2910人増の2211万8782人で、7日間平均は9078人。死者は215人増の61万5179人で、7日間平均は220人となった。
死者の7日間平均が300人を切る状態は11月2日以降、31日間続いている。これを受け、11月の月間の死者は、昨年4月の5700人に次ぐ少数の6857人となった。11月の月間感染者は28万3604人で、昨年5月の42万9469人を大幅に下回ったが、昨年4月は7万9863人だったから、終息には程遠い。
新変異株による感染爆発を防ぐため、サンパウロ州政府は2日、補強接種までの間隔を2度目の接種またはヤンセン社製ワクチン接種から4カ月間に短縮した。サンパウロ州保健局では補強接種はどのワクチンでも良いとしているが、サンパウロ市ではファイザー社製を原則とする意向だ。
1日にはファイザー社製も接種完了から3カ月を過ぎると感染抑止力が落ちるとの報告も出ており、接種完了者も防疫対策継続が望ましい。
ブラジルでの新株感染者はワクチン接種効果もあって、全員、無症状か軽症だ。この傾向はボツワナでも確認済みだが、南アフリカではワクチン接種率が低く、感染者が急増中で、75%は新株に感染している。
ドイツでは感染者急増で医療崩壊が起きているが、感染者が多いと接種完了者も感染し易くなる上、感染が急拡大すれば、軽症者のみでも医療崩壊を招く可能性があるので要注意だ。
国家衛生監督庁(Anvisa)は1日も空港での接種証明提示義務化を再要請したが、大統領が接種を拒否する中、要請が通るかは不明だ。
なお、ブラジルでは連邦自治体の約半数で重症かつ急性の呼吸器疾患が急増中だ。リオ州はインフルエンザの予防接種率低迷が一因とし、予防接種促進に取り組んでいるが、やはり、注意が必要だ。