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■訃報■ブラジル日系画家・若林和男さん

若林和男さん

若林和男さん

 ブラジル日本移民110周年ロゴも手がけた日系画家の若林和男さんが2日(木)の午後6時に、サンパウロ市内のホスピス(終末期医療施設)で亡くなった。享年90歳。葬式は生前からの同氏の希望で3日10時に家族のみの短い通夜が行われ、エンブーの火葬場で火葬を行った。お別れ会や四十九日の開催は今のところ未定。
 若林さんは3年ほど前から腎臓病を患っており、透析の治療を受けていた。しかし高齢のために透析が大変負担になっており、約2週間前に透析を中止し「亡くなるまで苦痛少なく穏やかに過ごして欲しい」という家族の意向でホスピスに入院していた。
 若林さんは兵庫県神戸市生まれ、1961年にあめりか丸で渡伯し、67年に帰化した。若林さんは渡伯前から画家として活動し、移住後も約60年に亘り芸術活動を続けた。
 サンパウロ・ビエンナーレに2度出展した津高和一さんから大竹富江さんと間部学さんへの紹介状を一筆もらい、聖美会に入会。自身も複数回サンパウロ・ビエンナーレに参加している。
 伯国内で2002年「第8回サンパウロ・ビエンナーレ展」外務大臣賞を含む複数の美術賞を受賞。国内外で開催された個展やグループ展にも参加し、高く評価されている日系画家の一人。
 漆工芸技法や「コマ」「折鶴」といった日本の古典モチーフの作品を多く発表し、ブラジル人に分かりやすく日本の伝統を伝えた。2016年には功績を認められ「平成28年度外務大臣表彰」を受賞した。