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《ブラジル》モロの大統領選支持率が急上昇=すでに10%台前半に=「ボルソナロを抜く」との予想も=ドリアとのシャッパ形成説も

5日のモロ氏(Twitter)

 保守政党「ポデモス」への入党宣言後、大統領選の世論調査でのセルジオ・モロ氏の支持率が急上昇しており、ボルソナロ大統領の支持者をかなり奪うことになるのではとの憶測が立ち始めている。3〜6日付現地紙、サイトが報じている。
 11月10日にポデモスへの入党式を行って以来、モロ氏の支持率が急ピッチで上昇している。調査団体「ポンテイロ・ポリチカ」が11月16〜18日に行った大統領選の世論調査では11%。「アトラス・ポリチコ」の11月21日の調査では13・7%。「ポデール・ダッタ」の11月22〜24日の調査では14%を記録している。いずれも、ルーラ元大統領、ボルソナロ大統領についで3位だ。
 これで、現状ではシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)やジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)に「第三の候補」として差をつけた形となっているが、アナリストたちの分析では、モロ氏は今後、ボルソナロ大統領の支持層を奪うことになると予想されている。
 リオ連邦大学の政治学者、ジョゼ・パウロ・マルチンス氏は、「今後、仮に民主運動(MDB)や新党のウニオン、PSDBなどがモロ氏との連立に回れば、ボルソナロ氏の票を奪うことは十分に考えられる。だが、ルーラ氏の場合はあまりに支持層が違いすぎるため、大統領選に参入したところでほとんど影響がないだろう」と分析している。
 また、XPインヴェスチメントスの研究員によると、「我々の調査でのボルソナロ氏の現在の支持率は25%だが、そのうちの28%に相当する人たちがモロ氏を第2候補にあげている。そうなると、7%ポイント分はモロ氏に鞍替えする可能性があることになる」と分析している。

 また、2日付フォーリャ紙サイトの報道によると、政党党首たちは来年2月までにはモロ氏が世論調査の支持でボルソナロ氏を抜くだろうとの予想を立てているという。それは、ボルソナロ氏が経済指標で苦戦を強いられている最中、モロ氏が公の場で自身をアピールできるためだという。
 こうした中、モロ氏は現在、全国を回ってアピールを続けている。4日にはリオ・グランデ・ド・スル州に赴き、ポデモスの党大会の前に、11月のPSDBの党内選挙で敗れた同州知事のエドゥアルド・レイテ氏と対談を行っている。5日には一転して北東部のペルナンブコ州レシフェに赴き、伝統衣装に身を包んで地元民と交流する姿も見せている。北東部はルーラ氏が非常に強く、左派の地盤の一つだ。
 また、ジョアン・ドリア・サンパウロ州知事は5日、滞在先の米国で「帰国したらモロ氏と面談する約束をしている」と語った。ドリア氏は目的を明らかにしていないが、「大統領選でのシャッパ(連記式名簿)結成を狙っているのではないか」との憶測も流れている。
 ドリア氏は5日にエスタード紙のインタビューに応え、「私とモロ氏は2022年に同じ戦場に立つ」と語った後、「同じ役職で争う必要はない」「(私とモロ氏は)ブラジルとブラジル国民を守るという、共通の目的を持っている」と答えた。
 また、モロ氏とレイテ氏が会談を行ったことについて訊かれたときは、「我々はみな、リベラルな民主主義という同じ戦場に立っている」とも答えており、「同じ戦場」が意味するところは明確にされていない。