南アフリカ起源のオミクロン株感染者が国内でも確認された事などを受け、リオ市が4日、コパカバーナでの年越しイベント「レヴェイロン」中止を決めた上、北東部でも科学委員会が年越しイベントなどの中止を進言と3~5日付伯字紙、サイトが報じた。
リオ市のレヴェイロン中止は、人ごみ回避を勧める同州科学委員会の進言を受けたものだ。市科学委員会は開催可能と考え、市役所もそのつもりだったが、州科学委員会がより厳しい判断を下したため、エドゥアルド・パエス市長が従った。
同市長は「個人的にも市長としても悲しい決断だ。レヴェイロンは全ての人、全ての信条を一つにし、抱擁を交し合う、比類のない祝いの場だ。リオ市は祝いと抱擁、公共スペースと出会いの街で、勇敢に新型コロナに抵抗し、勝利する。リオ市は美しく、すばらしい街であり続ける」と宣言した。カーニバルついても「個人的には開催希望」だが、「科学的な立場からの進言がなされた場合はそれに従う」意向を明らかにした。
同市宿泊業者組合はレヴェイロン中止を嘆きつつ、科学的な見解に従う意向を表明。アルフレッド・ロペス会長は「昨年は年越し行事がなくても8割の客室が埋まり、今年は満杯になると見ていた。宿泊予約の維持と来年のイベント実現を願う」と語った。
アントニオ・フロレンシオ・デ・ケイロス・ジュニオル州商業連合会長も、「売上減少は不可避だが、中短期の安全策は万全だ。科学的評価はバランスがとれた対策と安心感をもたらす。業界は防疫対策を支援する」との意向を表明した。
ただし、レヴェイロンの実施の可否は、8日に行われるリオ州知事とリオ市長との会合後に最終決定となる予定だ。
他方、北東部9州の合同科学委員会は3日、国内でのオミクロン株感染者確認や新変異株発生の可能性を重視し、クリスマスや大晦日、カーニバルの行事中止を求めた。
同委員会は密による感染拡大で新たな波が起こる可能性も指摘。予防接種進展とマスク着用義務継続、手洗い励行、劇場やスタジアムなどへの入場時の接種証明提示などの対策強化を求めると共に、就学者への接種は学校でなど、予防接種進展を阻む全ての障壁を取り除く努力も要請した。
北東部は、11月21~27日(感染学上第47週)と11月28日~12月4日(第48週)の感染者が各々、前週比で8・4%と16・1%増えた。特に、マスク着用義務を解いたマラニョン州は2週連続で感染者と死者が増加。また、第48週の感染者が4倍に増え、死者も36%増のセアラー州なども現れており、気を抜けない状態が続いている。
★2021年12月4日《ブラジル》オミクロンさらに2人、計5人確認=サンパウロ州は補強接種の間隔を短縮=接種完了者は無症状か軽症
★2021年12月3日《サンパウロ市》オミクロン3人感染確認で年越しイベント中止=マスク着用義務継続も決定
★2021年12月2日《サンパウロ》3人のオミクロン感染を確認=ミナス、DF、リオにも未確認者