ペトロブラスは6日の午前中、5日にボルソナロ大統領が行った、「ペトロブラスが今週から、連続して燃料代の引き下げを行う」という宣言の内容を否定した。6日付現地サイトが報じている。
これは、ペトロブラスが6日に有価証券取引委員会(CVM)に送った声明で明らかになったもの。それによると、同公社は価格調整を早めることはなく、市場に対して責任を持つ市場価格特別グループ(GEMP)が行った決定で未公表のものは何もないという。
この発表が行われた後、13時14分に同社の株価は1・43%上がっている。
これはボルソナロ大統領が5日、サイト「ポデール360」の取材に対し「ペトロブラスが今週から値下げを行う」と明言したのを否定した形となった。
ただし、燃料価格が下がるかもしれない兆候が存在したことも事実だ。ここ数週間、国際的な燃料価格が下がっていたところに、オミクロン株が世界中に拡散する状況が生じていたためだ。事実、先月末は1バレルにつき80ドル(455レアル)だったブレント原油の価格は、6日現在で70ドル(397レアル)にまで下がっていた。
そのため、6日の時点でガソリン代が輸入価格に比べ12%、ディーゼルが6%割高になっていた。
だが今回、ペトロブラスは、国際的なヴォラティリティ(変動性)に左右されることなく、長期的な視点で価格を検討することを宣言した。「ペトロブラスは国外のヴォラティリティやそれに伴う為替変動に惑わされることなく、競争力とバランスを保っていきたい」と同公社は声明の中で語っている。
ブラジルでは2021年に入り、ガソリンで74%、ディーゼルで65%の値上げが起きている。
ボルソナロ大統領は10月にも、ペトロブラスが25日に正式な燃料代値上げを宣言する直前に値上げを暗示する発言を行い、問題となっていた。