沖縄県人会サント・アンドレ支部(山城芳政(よしまさ)支部長)主催の合同慰霊祭が、11月28日午後4時からサント・アンドレ市の同支部うるま会館で執り行われ、感染対策を取りながら約120人が参列した。
慰霊祭では、2020年と21年の2年間で亡くなった支部会員26人の遺影が祭壇に並べられた。コロナ禍が落ち着き始めた中で、「支部の活動を再開するにあたって、最初に故人の慰霊祭を行うことが大切」との会員たちの思いにより、実施されたという。
慰霊祭は、南米本願寺ブラジル別院(東本願寺)の僧侶であるヘルナン・ヴィラル氏が導師を務め、読経に合わせて参列者が一人ずつ焼香を行った。
引き続き、山城支部長が弔辞を読み上げ、パンデミックで支部のすべての活動が中止となったことに言及。「この2年間で26人の方々がコロナと病気などでお亡くなりになり、とても悲しく心が痛みます。今日はマスク着用、アルコール消毒など感染対策をしながら故人の皆様への祈りを捧げたいと思います」と述べた。
遺族代表としてあいさつに立った謝花(じゃはな)京子さん(69)は、今年3月に日系二世の夫・清則(きよのり)さん(行年74歳)を亡くしている。「寂しさに暮れていますが、皆様の心温かいお言葉に励まされております」と感謝の気持ちを表していた。
山城支部長の義兄にあたり、85歳の妹と84歳の弟を亡くした山城勇さん(93)は、コロナ禍で病院への見舞いや葬儀にも参列できなかった状況に「極めて不便な闘病生活だった。泣いても泣ききれない」とし、「一日も早くコロナが完全撤退することを願ってやみません」と話していた。