8日、中央銀行の通貨政策委員会(Copom)が、経済基本金利(Selic)を1・5ポイント(P)引き上げ、過去4年で最高の年9・25%となった。8、9日付現地紙、サイトが報じている。
Selicは10月に開かれたCopomでも6・25%から7・75%へと、1・5Pの大幅引き上げが行われており、2度連続での1・5P引き上げとなった。昨年の8月から今年の1月までは2%で固定されていたが、それ以降は7回連続で上昇している。
Selicがここまで高くなったのは、10・25%を記録した2017年7月以来で、約4年ぶりの高率となった。
今回の1・5P増は予想外のものではなく、10月に開催された前回のCopomの時点ですでに予告されていた。7回連続でのSelic引き上げの背景には、高進を続けるインフレの存在がある。
政府の公式物価指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、12カ月間の累積が2016年2月以来の10%台超えを記録している。11月のIPCAは1・17%を記録しており、これも、同月としては2002年以来、19年ぶりの高水準となっている。
このインフレ高進の要因となっているのは、記録的な少雨によって水力発電ダムの貯水量が激減し、火力発電が増えたことによる電気代の高騰と、国際的なコモディティ価格の値上がりとドル高に伴う燃料代の高騰だ。
ドル高はコロナ禍による影響が大きいが、ボルソナロ大統領が新社会保障プログラム「アウシリオ・ブラジル」での平均支給額400レアルを実現させるために連邦政府の歳出上限を破ることを容認するかの発言を行ったことなども追い打ちをかけた。
中央銀行が毎週行っている市場の動向予測調査「フォーカス」の最新版によると、100以上の金融機関の見解として、Selicはこの後も上がり続け、2022年の末には11・25%まで上がるであろうとの見方が出ている。市場関係者は、インフレ予測も連続して引き上げており、来年の予想も既に政府目標の上限を超えている。
またCopomも、来年の2月1〜2日に行われる次回会議で、Selicがさらに1・5%P上がることを示唆している。Copomはこれまでの要因に加え、年末年始の間にオミクロン株による感染がどのくらい拡大するかによって、市場の回復が不確かなものになっていることを大幅な引き上げを示唆した理由にあげている。