ブラジル貿易会(AEB)が8日、22年の輸出は今年の予想実績の2753億1600万ドルを4・7%下回る2623億7900万ドルに終わるが、輸入は今年の予想実績の2180億9400万ドルを4・5%上回る2278億5500万ドルとなる見込みだと発表したと同日付現地サイトが報じた。
見込み通りなら、来年の貿易収支は今年の黒字予想額の572億2200万ドルを39・7%下回る345億2400万ドルの黒字で終わる。輸出減に輸入増が重なると国内総生産(GDP)にも負の影響が出る。
来年度の貿易に関する見通しは、選挙によって先行き不透明感が高まる事とコモディティ価格の動向を考慮したものだ。AEBのジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は、来年はコモディティ価格が下がる可能性があると見ている。
原油と鉄鉱石は既に値下がりし始めており、来年は原油が18・5%、鉄鉱石が34・1%下がる見込みだ。大豆は来年も11・8%値上がりする見込みだが、原油と鉄鉱石、大豆が輸出全体に占める割合は、現在の40・7%から37・5%に減ると見られている。この試算通りなら、大豆の輸出額は450億ドルに達し、輸出品目のトップとなる見込みだ。
輸入は原材料やコンテナ、船舶の不足によって増加傾向が続いている。品不足で単価が上がると、輸入量以上に輸入額が上がり得る。一例は、輸入量は22%増、輸入額は48%増の肥料や、輸入量は15%増、輸入額が52%増の医薬品などだ。
ブラジルの輸出は一次産品への依存度が高く、付加価値の高い加工品の輸出を増やす必要がある。