サンパウロ州商業連盟(Fecomercio SP)が9日、10月のサンパウロ市の観光業を観光活動指数で評価した結果、前月比で10・1%成長した事が明らかになったと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
10月の指数を昨年同月と比べると、成長率は43・5%に達した。新型コロナによる感染者や死者がピークを迎えていた4月までは観光活動指数も低迷または低下していたが、ワクチン接種が進展し始めた事などもあり、4月以降は指数が回復している。10月の指数を年頭時点のものと比べると、90%成長しているという。
10月の観光活動は、全ての面で9月より改善している。最も成長したのはホテルの客室占有率で、9月に記録した50・4%増という数字をさらに上回る58・9%増を記録した。
また、空港を利用する旅行者の動きは9月より14%増えた。陸路での動きは前月比で10・8%増だった。
観光客が増え、ホテルや交通機関の利用頻度も増えた事で、収益は6%増え、ほぼ4億9千万レアルとなった。雇用者数も3・9%増え、40万人を超えた
商業連盟では、観光活動指数は上昇傾向にあるが、2022年は様相が変化すると見ている。それは経済指数が様々な圧力にさらされているためで、「インフレが高止まりしている上に、失業者も1300万人を越える状態が続いている。金利の上昇も経済をさらに減速させるはずだ」との見解も明らかにしている。
連邦政府も、ワクチン接種の進展で改善する分野のひとつに観光業を挙げており、11月には、観光業関連の正規雇用者は2022年2月までに50万人増えるという見通しを述べている。