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《リオ市》年越しの花火の決行決める=ホテル業界は喜び隠さず=アクセス限定、密回避を条件に

リオの名物年越し花火の様子(Foto Fernando Maia/Riotur)

 【既報関連】リオ市のエドゥアルド・パエス市長が9日、大晦日にコパカバーナなどで花火を行う意向を表明した。同市は年越しイベント「レヴェイロン」中止を発表していたが、8日に州科学委員会が花火開催を認める判断を下したため、恒例行事の一部だけ決行することを決めたと9~10日付現地サイトが報じた。
 リオ市は早くから、大規模イベントの再開を目指し、ワクチン接種などを積極的に進めてきた。当初の計画では9月2日を「再開の日」として市の休日とした上、記念行事も行うはずだったが、デルタ株の感染者確認などで取りやめたため、レヴェイロンやカーニバルは是非との声が市役所や観光業界から出ていた。
 だが、連休があると感染者や死者が増えるなどの懸念材料があった上、オミクロン株の流入を警戒する声が高まり、年越しイベントやカーニバルをキャンセルする自治体が相次いでいた。
 リオ市も一度は州科学委員会の意向を汲み、レヴェイロン中止を発表したが、パエス氏が州側に再考を求めたところ、防疫対策継続を条件に花火開催が認められた。
 打ち上げ会場は、コパカバーナ、バラ・ダ・チジュカ、レクレイオ、バングー、フラメンゴ、ピシノン・デ・ラモス、セペチバ海岸、イーリャ・ド・ゴヴェルナドール、パルケ・マドゥレイラ、ペーニャ教会の10カ所だ。これは、人の移動を最小限に抑え、密発生を防ぐためだ。

大晦日の花火決行と発表するパエス市長(Beth Santos/Divulgacao)

 コパカバーナでは音響用の塔25基を使い、新年を迎える「秒読み」も行う。だが、ショーは行わず、31日午後7時からは同海岸へのアクセスを地区住民や地区内の施設の宿泊者、施設従業員に制限。これらの人達の通行も夜10時までだ。
 バスや地下鉄は通常運行で、市外からのチャーターバスは30日午後7時以降、入れなくなる。また、コパカバーナ周辺の道路は駐車禁止措置がとられ、ワクチン接種用ポストも設置される。
 同市ではインフルエンザが流行状態で時期外れの接種キャンペーン実施など、新型コロナに限らぬ防疫対策は不可欠だ。だが、ホテル業界では、制限付でも、レヴェイロン開催なら客室は満杯になりうるとみている。
 国外ではPCRをすり抜けるオミクロン株亜種も確認されており、イベント開催とは無関係に、ワクチン接種やマスク着用などの防疫対策継続が呼びかけられている。
 10日は保健省のシステムがハッカー被害に遭い、接種証明発行が不能となったため、11日からのはずだった入国者への接種証明義務化が延期されたが、保健省は9日に、カーニバルは中止が望ましいと語っている。

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