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《ブラジル》オミクロン株感染11人に=国外旅行未経験の人からも=最高裁も接種証明を義務化

新型コロナウイルス(NIAID)

 保健省が12日、国内のオミクロン株感染者が11人になったと発表した。週末に判明した感染者には国外旅行の経験がない人もおり、市中感染の可能性がある。当面はワクチン接種やマスク着用などの防疫対策が不可欠だ。ハッカー被害のため、感染者や死者の登録や接種証明の発行が不能という状態は13日も継続中と11~13日付現地サイトが報じた。
 ブラジルでのオミクロン株感染者はまだ少ないが、11~12日に感染が確認された人が一気に増えた事と、市中感染の可能性浮上は気がかりだ。
 ブラジルの新変異株感染者は3日現在で6人に増えていた。11月30日~1日に確認された感染者はサンパウロ州3人、連邦直轄区2人で、6人目はリオ・グランデ・ド・スル州サンタクルス・ド・スル在住で、南アフリカから帰国した女性だ。
 6人は全員、南アフリカ諸国から帰国後に新型コロナ感染が判明。その後の検査で新変異株感染が確定した。全員、接種完了者で、PCRで感染が判明した時点で隔離に入り、濃厚接触者の検査も行われていた。
 だが、11日に新変異株感染が判明したサンパウロ市在住で67歳の男性は国外旅行の経験がない。男性は7日に新型コロナへの感染が判明し、サンプル解析でオミクロン株感染が確認された。市や州の保健局は濃厚接触者を探しているが、国外旅行者との接触がなければ国内初の市中感染となる。

 また、同日はリオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレでも、米国経由で帰国後、PCR検査で陽性反応が出た人のオミクロン株感染が判明した。12日には、南アフリカとフランスを旅行したサンパウロ州リメイア在住で40歳の女性の新変異株感染が判明。ゴイアス州でも2人のオミクロン株感染が確認された。
 ケイロガ保健相は13日、「現在までに判明した人以外にも新変異株感染者がいるに違いない」と発言。と共に「ブラジルはワクチン接種が進展しており、ここ半年間は感染者や死者が明らかに減少中だ」と強調した。
 なお、10日未明に起きた保健省サイトなどへのハッカー攻撃で接種証明書の発行が止まり、入国者への接種証明義務化は1週間延期された。だが、ルイス・ロベルト・バローゾ最高裁判事が11日に接種証明の提示義務化を命じたため、政府側も早期に省庁令を再発行する意向を表明した。
 ワクチン接種関連の情報は13日には回復できたようだが、ConecteSUSの回復は14日の見込みだ。感染者や死者のデータ登録は部分的で、更新できていない州も多い。感染者や死者のデータを公表していたサイトは、13日午後もアクセス不能だ。

★2021年12月8日《ブラジル》オミクロン感染6人確認=消極姿勢を貫く連邦政府=入国者に接種証明求めず
★2021年12月4日《ブラジル》オミクロンさらに2人、計5人確認=サンパウロ州は補強接種の間隔を短縮=接種完了者は無症状か軽症
★2021年12月3日《サンパウロ市》オミクロン3人感染確認で年越しイベント中止=マスク着用義務継続も決定