連邦警察が15日、空軍機を使った国際的な麻薬密売を摘発するためのキンタ・コルナ作戦を敢行し、高級車や34万レアル余りの現金などを押収したと同日付G1サイトなどが報じた。
この日の捜査の対象となったのは、麻薬密売の指揮者と見られている、ブラジリアのアザ・スル地区にあるスポーツジムの共同経営者だ。
連警は企業家の名前を伏せているが、この日の捜査では、高級車2台と現金35万4千レアルが押収された他、企業家と会社(複数)の口座の資産160万レアル、不動産5軒、スポーツジム、企業家が受けていた融資200万レアルが差し押さえられた。
これは、2019年に起きた、ブラジルからスペインに飛んだ空軍機から37キロのコカインが見つかり、軍曹1人が現地で逮捕された事件に関する捜査の第5弾だ。
空軍はこの日、企業家は空軍関係者ではない事と、同件に関する捜査は非公開で行われている事を伝える声明を出した。
連警によると、この企業家は親戚の名前を使って現金を動かし、資産を購入していたという。また、資産を差し押さえられて会社は、不動産の所有権と金銭の動きを偽装するためのペーパーカンパニーだという。
また、この日の捜査の主な目的は資金洗浄に関する証拠を集める事で、捜査の対象者達は、資金洗浄と犯罪組織形成の罪に問われる見込みだ。
同件に関する具体的な捜査は今年2月から始まり、最初は家宅捜査令状が15件出た。1カ月後の捜査では軍人3人と、スペインで逮捕された軍曹の妻が逮捕された。
連警によると、容疑者達は様々な方法で違法に入手した資産隠匿を図っていたという。主だった資産は高級車や不動産で、高額の物件を現金で購入していたという。
10月に行われた捜査では証人達を脅迫していた容疑者が逮捕された。連警によると、この男は犯罪グループのリーダーの1人で、金銭の動きを統括していたという。
なお、2019年にスペインで逮捕された軍曹は、昨年2月に6年間の禁固刑と、200万ユーロの罰金の支払いを命じられた。本人は、麻薬を運んだのは初めてだったが、仕事先や勤務中に購入した麻薬の転売などは以前から行っていた事を認めている。
スペイン当局は8年間の刑を求めるつもりだったが、本人が罪を認め、捜査にも協力したため、減刑に応じたという。本人は本国送還を希望していたが、昨年9月に同国の裁判所がその要請を却下したため、同国で服役している。