選挙高等裁判所(TSE)が13日、来年の統一選で使用する新型の電子投票器を公開したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
新型の投票器はアマゾナス州マナウス市のポジティヴォ・テクノロジア社製で、来年の選挙から22万5千台が導入される。これにより、来年の選挙では、2009年以降に導入されたものと合わせて、57万7125台の投票器が使われる事になる。
TSEによると、新型の投票器は従来型よりもバッテリーの持続時間が長く、プロセッサーの速度も増す。また、指紋照合もより迅速となり、1人が投票している間に次の投票者の確認作業ができるため、投票がよりスムーズに進み、順番待ちの列が短くなるはずだという。
TSEのルイス・ロベルト・バローゾ長官は、来年の選挙に向けたテストを行った際も、不正は起きない事が確認できたと語っていた。加えて13日は改めて「投票内容の改ざんは不可能だから、TSEでは選挙システムのイメージを守るための取り組みを進めている」「選挙システムの保護メカニズムはここ2~3年で向上している。私達が目にしたほどの規模のサイバー攻撃はごく最近の現象だ」と語った。
電子投票器の更新は2015年以来だ。バローゾ長官によると、UE2020型の投票器のデスク端末は繊細なタッチセンサーを備えており、プロセッサーは現行モデルより18倍速い。また、バッテリーはリン酸鉄を使ったリチウム電池で充電が不要なため、メンテナンスコストが削減されるという。
また、キーボードにも改良が加えられ、接触不良や断続的な短絡が起きた場合にはキーボード自体がエラーを知らせる。新型投票器は10年間の使用に耐える。
バローゾ長官は、電子投票器はいかなる種類のネットワーク、インターネット、Bluetoothにも接続しない事を改めて強調した。この事は、外部からのアクセスや内容の改ざんが極めて困難である事を示す。同長官によると、改ざんのためには30を超える保護防壁を克服する必要があるという。
ブラジルでの電子投票は1996年に始まり、次第に使用台数を増やしている。新たなモデルの電子投票器は来年5月までに納品される予定だ。
14日には、開票時の混乱を避けるため、来年の選挙は投票時間をブラジリア時間の8~17時とする事も発表された。