ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》オミクロン株感染者12人=ハッキングで集計上のミス?=死者数などが更新不能の州も

《ブラジル》オミクロン株感染者12人=ハッキングで集計上のミス?=死者数などが更新不能の州も

新型コロナウイルスの遺伝子情報などを解析・保存するバイオ銀行開設式(13日、Ministerio da Saude)

 【既報関連】保健省が14日、国内のオミクロン株感染者は12人と発表した。だが、サンパウロ州の同株感染者は6人、リオ・グランデ・ド・スル州も2人など、情報が交錯している。ハッキング被害後、死者や感染者の数が更新できない州が出ており、統計上の数字に信頼を置けない状態が生じている。
 10日未明に起きた保健省やConecte SUSのサイトへのハッキングは13日未明も繰り返され、感染者や死者の実数がつかめない状態が14日も続いている。
 14日付アジェンシア・ブラジルによると、オミクロン株感染者はサンパウロ州6人、連邦直轄区とリオ・グランデ・ド・スル州、ゴイアス州各2人で、感染株解析中の感染者はミナス州4人、ゴイアス州2人だという。
 だが、この数字には、リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ市で13、14日に確認されたオミクロン株感染者2人の情報が反映されておらず、サンパウロ州で6人との情報も不確かだ。サンパウロ州政府のサイトなどで確認できるのは、12日に新変異株感染が判明し、同州で5人目のリメイラ市の女性までだからだ。
 また、14日現在の感染者は2219万9775人で7日間平均は3536人、死者は61万6970人で、7日間平均は136人だった。この数字通りなら、感染者は昨年5月の上旬、死者は同4月半ばの水準だ。

 ワクチン接種の進展で感染者や死者が減っているのは確かだが、11~13日はデータが更新されてない州が6~9、死者ゼロの州が12~16あった。14日はこれが4州と10州に減ったが、更新された州でも、一部しか更新できていない可能性がある。
 この事は、14日夜8時までのメディア集計の死者は61万7121人で、5州が未更新という報道でも明らかだ。メディア集計ではサンパウロ州の死者が14日に24人増えたが、同州関係者によるとこの数字は一部のみだ。保健省の集計では、サンパウロ州の数字は11日から更新されていない。メディアでは、14日現在のワクチン接種完了者は1億3998万9809人(総人口の65・63%)とも報じた。
 なお、Conecte SUSが止まり、接種証明が発行できなくなったため、11日からの入国者への接種証明提示義務化は一時的に停止された。だが、ルイス・ロベルト・バローゾ最高裁判事の司法判断で、15日以降に出国するブラジル人には証明提示義務が生じた。一部空港では既に、無作為抽出での接種証明確認作業が行われている。
 保健省は10日、旅行者には州や市が発行する証明書や紙の証明書で代替する事を勧め、ブラジルからの便が離着している国にも通達している。