ニッケイ新聞 2014年1月9日
スイスのローザンヌ大学の研究者が、食物繊維が豊富な食物を摂るとアレルギー性喘息が起き難くなるとの実験結果を発表したと7日付グローボ局ニュースが報じた。
雑誌『ネイチャー』掲載の論文によると、食物繊維が豊富な野菜や果物を十分に摂ったマウスは加工食品ばかり摂っているマウスより喘息に対する耐性があり、食物繊維が免疫能力を高める事が判明したという。現在は動物実験による結果のみで、今後は、同様の結果が人間でも出るか、人間の免疫能力を高めるために必要な食物繊維の量はどれ位かを確かめる実験が行われる予定だ。
胸の圧迫感や気管支の炎症、呼吸困難、セキなどの症状を伴う喘息は、ここ50年間、欧米を中心に患者数が増加している。世界全体の患者数は3億人超で、ブラジルでも大気汚染の拡大などに伴い患者が増加、現在は1900万人(総人口の約10%)に達している。
加工食品多用による塩分や脂肪分の摂取過多への警告は何度もなされており、今後の研究で食物繊維の量と免疫能力との関係が明らかになれば、繊維が豊富な野菜や果物などの生鮮食品への関心が一段と高まりそうだ。