7~8日にダッタフォーリャが行なった大統領選挙に関する世論調査で、これまでになく「白票・無効票」もしくは「わからない」の票が多かったことがわかった。また、国民の60%以上が、現状の「義務投票」に反対であることもわかった。11日付伯字紙が報じている。
ダッタフォーリャの最新の大統領選挙アンケート調査で、「白票・無効票」「わからない」が計24%あることがわかった。これはダッタフォーリャが過去に行なった大統領選挙年の5月(89年は4月)時点での調査で、最も高い数字となった。98年までは21~23%だったが、ルーラ氏が勝利した02年には9%まで下がり、その後も、06年16%、10年15%と低かった。
今回の24%の内訳を見ると、「白票」は16%で「わからない」は8%だった。そのうち、「白票・無効票」にした人の58%が「満足できる候補者がいない」とし、「わからない」にした72%が「候補者に関しての情報は聞いているがまだ決められない」と答えている。
今回のアンケート結果では、ジウマ大統領(労働者党・PT)の支持率が37%に落ち、アエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)が16%から20%に上昇、エドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)が微増で11%となっていた。
だが、「この候補者が理想的だから」との理由で票を投じた割合がもっとも高かったのは59%を記録したジウマ氏で、アエシオ氏が47%、カンポス氏が35%となっている。一方、「他に良い選択肢がないから」という消極的な理由での投票率がもっとも高かったのはカンポス氏の62%で、アエシオ氏が52%、ジウマ氏が39%となった。
一方、現在の憲法で決められている「選挙での国民の義務投票」に関して、国民の61%が反対していることも判明した。義務投票に反対する声が50%を超えたのは同調査でもはじめてのことだ。その傾向を分析して見てみると、有権者の年齢や学歴、所得が高ければ高いほど反対する人が多くなっている。
また、この傾向を各候補者別に見てみると、「義務投票」への反対が強いのは71%を記録したカンポス氏で、以下アエシオ氏が67%、ジウマ氏が51%で続いている。「もし義務化が解かれれば次の選挙には行かない」と答えた人も、カンポス氏(62%)、アエシオ氏(58%)、ジウマ氏(43%)と続いている。
現政権に対する不満の拡大でアエシオ氏やカンポス氏への支持は上がって来てはいるが、今回のアンケートからは、仮に投票が義務付けられていなかったらそうした不信感のある層が投票場に行かず、現政権がかえって有利となるということが伺える。