ベネズエラのニコラス・マドゥーロ政権による反政府派の弾圧が問題視される中、24日、同国議会議長団が野党側の女性議員を、国際会議で同国の現状を語ろうとしたことを理由に罷免した。25日付伯字紙が報じている。
マリア・コリーナ・マチャド下議(46)に対する罷免処分は、同国議会のディオスダード・カベーロ議長により発表された。同議長によると、マリア下議はパナマからの依頼で米州機構のパナマ側委員代理として会議に出席、ベネズエラの現状を語ろうとしたが、それが憲法149条と191条に抵触したという。同条項によると、同国議員は議会の許可なしに外国政府の職責を担えず、公的な職務を引き受ける場合は議員を辞職しないとならないという。
これは、ベネズエラから10億ドル以上の債務支払いを受け取っていないことに不満を募らせていたパナマが、米州機構の召集を求めたことに端を発する。パナマは、米州機構にベネズエラの実情を語る人物としてマリア氏に白羽の矢を立てていた。だが、米州機構は21日の投票で、マリア氏がパナマ代表代行として語ることを却下した。
セミナーでの講演のためにペルーのリマに滞在中のマリア氏は「カベーロ議長に対して」と題し、「民衆が求める限り、私は下議のままだ」との声明をツイッターで送った。同下議は同国で最多得票を記録した議員で、反政府のタカ派としても有名だ。そして、一刻も早く帰国して政府と戦うと語った。
マリア議員の罷免は、南米諸国連合(Unasul)の代表たちが首都カラカスでの会議のために到着しはじめていた矢先に発表された。その会議は、マドゥーロ政権と反対制派との対話を促がすものだ。
ベネズエラ政府の反政府派弾圧は収まらず、大規模な反乱が起きた2月12日以降の死者はすでに36人に及んでいる。
ベネズエラ=野党の女性議員を突如罷免=米州機構の委員受託が理由
ニッケイ新聞 2014年3月26日